北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

国定公園内の景観保全条例 2

2011年04月26日 | まちづくり
 総務常任委員会が開催されました。
 2日前に町議会議員選挙が行われたばかりですが、今回の委員会は、選挙前の議員によるものです。選挙前の議員の任期が4月30日まであるので、任期一杯まで活動すべきだ、4月分の報酬も戴いていると言う議員の意見に依るものですが、そこまでしなくともと思います。
わが町の議会の歴史を見ても異例のことのようです。

 総務常任委員会では、3月定例会で付託となった「国定公園地区における良好な景観保全をめざすための措置に関する条例の制定について」が議題です。
議員提案を行った私を含め3人の議員も委員外議員として出席を求められました。
今回の委員会は、地域の方々の意見を聞くことが目的です。

 これまで、3回委員会が行われております。審査の進め方についての委員会。発議者からの説明と担当部局からの意見聴取の委員会。町民からの意見聴取を行うことに関する委員会。そして、本日の町民の意見聴取の委員会で4回目です。
 委員会の委員による条例に対する実質な審査や審議はまだ行われていません。委員会で審査も進んでいない中で、町民の皆さんからの声を聞くのは拙速すぎないかといった意見もありましたが、委員長他の議員の地域の意見を聞くことが大事であるとの声が勝りました。他の委員も町民の皆さんの意見を聞くことは大切なことだと考えていますが、タイミングがあるのではないかと考えています。中学校の統廃合の時もそうですが、混乱を招かないような議会運営が必要と思います。

 本日の委員会に、地域の方が大勢参加してくれました。参考人として招致された地域の皆さんは、議員提案が出される前に委員会でお話を聞いた方々でした。また、選挙当日の朝に新聞折込で委員会の傍聴のチラシが入ったので、傍聴に来られた町民の方も大勢おりました。
(新聞折込に関しては、委員会で最終合意になってはいなかった)

 地域の皆さんからの意見
  ・地域として、この条例案には反対。新体制で、前向きな方向で進めてもらいたい。
  ・何故、急ぐのか。自然公園法がある。同じような条例を2つもいらない。
   確認申請提出前の説明会の開催、工事施工中の問題解消などソフトな部分のルール作りを望む。
  ・東日本大震災による観光産業への影響がある時期、タイミングが悪い。投資に対するハードルを高くする。反対。
  ・地域の意見を聞いていない。リセットし、地域の意見を聞きながら進めてほしい。
  ・今後、地域をどの様にしたいのか。森の中に居る(暮す)ところであって欲しい。都会の延長の場所にはして欲しくない。
  ・スキー場エリアはもう商業エリアになっている。コンドミニアムが悪いと言う前提で進んでいる。
   住まなくなる、荒廃するのを防ぐ仕組みづくりが必要。
  ・コンドミニアムの開発には反対。桜の木も切られた。日本のお客さんは、地域が良い方に変わってきているとはみていない。
  ・春になるとお客さんがほとんど居なくなり、夜の地域は真っ暗。

などの意見が聞かれました。
意見よりも質問の方が多かったでしょうか。でも、その質問に応える事はなく、言い放しで意見を聞いたことだけで終わりです。当初から、疑問に答えるなどの意見交換ではなく、考えを聞き審査の参考にするのが目的であったのです。地域の方は、どう思ったのでしょうか。

 参考人の皆さんが退席された後、結論を出すべきという議員もいましたが、委員会として実質な審査が行われていない中で結論を出せないとのことで本日の委員会は終了されました。
 任期は後4日(実質には2日)。委員長は、中間報告書を作りたいといっているが、物理的に無理でしょう。
結果、国定公園地区における良好な景観保全をめざすための措置に関する条例の制定」については、審議未了で廃案となります。

 条例提案者としての意見
  ・この町条例は、国の自然公園法の枠を超えたものではないので、規制が厳しくなるということはない。
  ・自然公園区域に建設するコンドミニアムは、既に自然公園法の規制の中で建設されることになっている。この町条例もそれを踏襲している。
  ・この条例制定の目的は、町にも自然公園地域に建設する予定のもの情報を開示することを求めているだけです。
  ・コンドミニアムの建設を規制するものではない。
  ・宿舎(ホテル)と偽ったコンドミニアムの建設を何とかくい止めたい。
と考えて、条例提案させてもらいました。
何分にも誤解されている方が多いように感じました。
地域が良くなり、観光に来られる方が何度も来てくれるような、そんなエリアになってほしいと願っている思いは地域の皆さんと同じです。
また、今回様々なお話が聞けたことは、委員会の審議とは別にして、大変貴重な時間でした。

 今後、地域の皆さんや行政と十分なコンセンサスを取りながら、取組んで行きたいと考えています。