北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

議会基本条例

2009年02月14日 | まちづくり
 地方議会議員セミナー「議会基本条例の課題と展望」に参加してきました。



 サブタイトルは、「栗山町議会の実践をとおして見る議会基本条例の今日的課題の今後の展望」です。
まず、栗山町議会議長の橋場利勝さんによる「地方分権下における議会のあり方-栗山町議会基本条例-」と題した当時者である議会の議長による講演でした。条例ができた経緯やその後の議会の状況など生の話をしてくれました。
ある町民の「議員は選挙のときは話に来るけど、当選してしまったら、何をやっているのだかぜんぜんこない」という声から、議会改革が始まったそうです。議員個人の議会報告会は、よく耳にしますが、所詮、後援会に報告する色合いが濃いのですが、「議会報告会」と銘打って、年に1回、議員を3っの班に分け、町内12会場で議会の動きや町民からの声を聞く会は、何処にも無いような気がします。4人の議員が、保守・革新、賛成・反対など関係なく、議会として、町民に情報を公開し、質問に答えるところがすごいです。また、議場にカメラを持ち込み、定例会などをインターネットでライブ中継を行い、透明性を確保しているそうです。議事録を見せるといった情報公開だけではなく、生の動きが分かる仕組みです。議員も勉強し、不規則発言も無くなり、緊張感のある議会が運営されているそうです。
町民といっしょにまちづくりをする議会を目指しているようです。さらに、行政、役場を監視する議会から脱皮をし、提案をしたり、修正をしたりといった町民目線で行動する議会を目指しているところがお手本になります。
 栗山町議会には、会派はなく、さらに与党(町長派)や野党(反町長派)といった組織ではなく、是々非々の態度で運営されているとのことです。ですから、議会としてまとまって行動ができるのでしょう。
当然というか、町民的には極自然のあり方だと思うのですが、古い議員はそうは思わないようです。会派があれば、考えをやめたり、行動をやめたりといった議員もできてしまいます。寄らば大樹の陰でしょうか。



 続いて、神原北大名誉教授の「議会基本条例を考える」と題した講演がありました。
議会改革とは、議会だけが変わるのではなく、住民、町長、役場職員のそれぞれが変わる。つまり、町が変わることである。
自治体で議会の与党といった仕事は無い。それは、町長の採決(賛成)マシーンでしかない。
会派は、否定はしないが、透明性を担保しないと、密室で物事が決まってしまう。
といった、話を聞くことができました。
 もっともなことばかりでしたが、如何にその方向に進むかといった問題があります。同じ様な考えを持つ者ばかりでしたら、すんなりいけるのでしょうが、守旧派というか、進歩を望まない者が多い場合は、遠い道のりになります。
橋場議長に言わせれば、議会改革は、人口や町の大小や会派の有無が障害ではなく、志があるかないか。志が強いか。町民の後押しがあるか。ということでした。