北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

ひらふの景観色

2008年11月08日 | まちづくり
 北海道大学で「日本都市計画学会」が開催され、今までニセコひらふ地域で行われていた景観色WSの発表があるというので参加してきました。



 これまでニセコひらふの現地で住民を巻き込んで「景観色ワークショップ」4回行われてきました。私もできる限り参加してきたのですが、その活動の中間報告でした。「ニセコひらふ地域の持続可能な国際観光リゾートまちづくりに向けたシナリオを考える会」が中心となり、ニセコ倶知安リゾート協議会と倶知安町も共同で行っている活動です。このブログでもWSの紹介をしてきました。
 今年の3月に地区に景観法による地区指定がかかり、建物の形態意匠に制限が加えられました。その中で建物の外観の色彩がマンセル値で規制されました。その色彩について、上質なリゾートの景観をつくるには、どうしたらよいのか、どうあるべきかといった地域の動きをフォローアップする活動です。



 会場では、8件の事業がワークショップ形式で行われておりました。
景観色WSでは、倶知安町の概要やニセコひらふ地域の現状、オーストラリアの観光客が急増し、バブルのような観光開発が行われ、地域の人々が危機感を持ってまちづくりに動き出した経緯が説明されました。また、今年制定された準都市計画地域の指定や景観地区指定といった都市計画制度の導入の説明があり、最後にこれまで4回行われた景観色WSの報告が行われました。
 期待していた、会場とのディスカッションになったのが、残り20分と少ない時間でしたが、北海道以外の方の意見が新鮮に聞こえました。例えば、関西大学の先生から「通り毎に統一感・まとまりをつけるのは、上海の植民地的なまちづくり似てちぐはぐな地域全体として違和感がある。ディベロッパー毎にまちづくりをしているようだ。」また「地域の人とは、どんな人?」と言った問いかけがありました。地区の70%ほどが外国人所有の土地や建物になり、しかも永住しているのはほんの一部で、住民不在のまちとなりつつあります。そこでの、住民とは一体誰を指すのか。重要なポイントを指摘されたようです。