北の杜

ニセコ・羊蹄山麓に暮らす一級建築士の奮闘記

グリーンシード21例会

2008年09月13日 | まちづくり
グリーンシード21の例会が札幌であり、参加してきました。
今回の勉強会は、NPO法人日本自治Academy主催のフォーラム「アジアと北海道のつきあい方」で、GS21が共催となっています。



 2部構成で、1部の基調講演が月尾嘉男東大名誉教授の「アジアの時代の北海道」で、2部がパネルディスカッション「アジアの留学生と語ろう」です。

 月尾教授は、わが町の羊蹄山麓塾の塾長で、私も塾生として参加させてもらっていますので、今まで随分多くの教授の講演を聴かせて頂いております。
いつも、具体的な数字を列挙して理路整然としたお話を聞くと、なるほどと感心して帰ってきます。東大のセミナーに参加しているようで、有難いことです。



 今回は「アジアと北海道のつきあい方」という演題ですが、北海道のこれからどんな方向に進んでいくべきかといった示唆を受けたような気がします。
 北海道は、日本の他県に比べて過疎で高齢化が進み、収入や貯金も少なく、失業率も高くインフラ整備も遅れているといった経済的な豊かさからは見放されたようなところですが、森林面積が多く、スキー場やゴルフ場も多く、動物園や博物館も多く、温泉地であり、農業生産もトップであるといった面も持っている。
経済的な格差はあるけれど、自然や娯楽、食材に恵まれており、これらの資産価値を高め、魅力あるものにしていくことが、これからの生きる道であるようです。
過去、軍事大国の価値観が経済大国に移り、日本も一時、経済大国であった時期があったけれど、これからは文化的な魅力のあるソフトパワーが勝る時代に移行しつつあるようです。
キーワードは「地産地消」。地場産の育成が環境を守ることになり、エコロジーがエコノミーを包括する時代になりつつあるようです。
また、世界は中国、インドをはじめとするアジアの時代になりつつあり、日本もアジアパワーと共生しながら、日本文化大国を目指す方向に転換していくべきであるとのことでした。



月尾教授は、講演終了後倶知安に向かい、夜、21回目の羊蹄山麓塾を行う予定になっております。
私は、ここに残り第2部のPDと交流会に参加です。
第2部の「アジアの留学生と語ろう」では、韓国と中国ウルチム出身の留学生の北海道体験記や自国と北海道の違い、アジアの学生が見た北海道の魅力といった話を聞きました。最近では、日本に来るアジアの留学生も減ってきて、日本の魅力が減退してきているようですが、彼らは一様に北海道人の優しさを褒めてくれました。
つまり、ホスピタリティーがあるということなのでしょうか。
それにしても、日本語が上手で、大陸にいるといろんな言語と接する機会があり、必然的に語学の習得力が高いようです。もう既に国際化が進んでいるのですが、英語が話せるようにならないとダメだと、思ったところでした。