布施弁天界隈の自然と歴史情報

関東三弁天の一つである柏市布施弁天界隈の城跡、神社、仏閣等の歴史的遺産の紹介とあけぼの山近辺の花情報の提供

ハマナスの自生南限地ってどこ?

2008-05-13 | 花情報
ハマナスと言えば、北海道で、ハマナスの歌と言えば、加藤登紀子の「知床旅情」をすぐ思い浮かべる。ハマナスは、北海道の道の花であり、畏れ多くも、徳仁親王妃雅子様のお印ですよね。
このハマナス(浜茄子、浜梨、学名Rosa rugosa Thunb.)は、バラ科バラ属の落葉低木。夏に赤い花(まれに白花)を咲かせ、この実はいわゆるローズヒップとして可食できる。日本では北海道に多く、主に海岸の砂地に自生するが、今回は、このハマナスの本州での自生南限地はどこかと言うことがテーマなのです。
私は、以前から茨城県鹿島市の大小志崎(旧大野村)が本州の自生地の南限と思っていました。その証拠に近くには潮騒ハマナス公園なるものがあるではないかと?ところが、最近になり、本州のハマナスの自生南限地として鳥取県にもあることを知り、ショックを受けました。
そこで、先日、鹿島の小志崎の自生地が、どんなものかこの目で確かめたく見に行ってきました。国道51号を鹿島神宮から北上して、鉾田方面を目指す。右側に真言宗智山派の慈眼寺が低地にあり、それを過ぎると、ほどなく、ハマナス自生南限地の看板が出てくるので、そこを右折。車がすれ違えない狭い道が続くが、看板の指示通りにいくと、自生地にたどり着く。その場所は、山とは言えない傾斜地で、どのくらいあろうか。そんなに広大というほどではない。左右の両脇には人家があり、奥は林で、手前が海方面。砂浜に自生するというが、完全な砂場、いわゆる砂丘ではない。じ
白波砕ける鹿島灘との間には堤防があり、砂浜は堤防の先にあった。自生地は堤防からみれば、海よりではなく、林より?
ハマナスというには、海岸のすぐそばの砂浜に咲いているものと思っていたので、この傾斜地に咲いているのを見た時には不思議な気がしました。もちろん、フェンスで囲まれ、中には入れません。金網越しから見ると、結構な数のハマナスが今を盛りと濃いピンク色、いや紫色っぽい花ひらをさかせていました。ここには、白いハマナスは見あたりませんでした。フェンスの中に、ここが自生の南限だという古めかしい石碑が2つほどありましたが、それらは何が書いてあるかはっきり読めませんでした。しかし、フェンスの外に、写真のような、私でも読める看板があり、ここが間違いなく、ハマナスの自生南限地であることがわかります。看板によると、大正11年3月に、国から指定天然記念物に指定されている。
このハマナスは、1mから1.5mぐらいまで成長する。5月から8月に開花し、8月から10月に結実する。現在では浜に自生する野生のものは少なくなり、園芸用に品種改良されたものが育てられている。果実は、親指ほどの大きさで赤く、食すると甘く酸味がある。果実にはビタミンCが豊富に含まれることから、 いわゆる健康茶などの健康食品として市販される。
それから、「ハマナス」という名の由来は、浜辺でナシに形が似ている実を付けることから「ハマナシ」といわれ、それがなまって「ハマナス」となったらしいが、本当でしょうかね。ただ、この花、バラ科なので、トゲがあり、扱いには気をつけた方が良いですよ。
さて、今回のテーマであるハマナスの自生南限地についてですが、鹿島市より遠くの鳥取県の白兎海岸、大山町松河原にもハマナスが自生しているらしい。1922年、同じ大正11年に国の天然記念物に地域指定されている。しかし、環境の変化などで雑草が生えるなどして数が減少。鳥取大学が2001年から種をまくなどして繁殖方法等の研究をして、その復元を図っているという。
このように、本州のはずれに近い、鳥取県にも自生地があるのに、なぜ、この鹿島の地がハマナスの自生南限地と唱ったのでしょうか。しかも、時期も同じ大正11年に国の天然記念物とされているのにーーー。この辺こと、わかる方おりましたら、お教え下さい。
なお、最後に北海道には、ハマナスの香りを取り出すローズ油の生産工場もあるようですよ。私もそれがどんな香りがするか、試したいですね。花の色は、実に鮮やかですから。
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