布施弁天界隈の自然と歴史情報

関東三弁天の一つである柏市布施弁天界隈の城跡、神社、仏閣等の歴史的遺産の紹介とあけぼの山近辺の花情報の提供

白樺文学館は個人の持ち物!

2007-01-22 | その他
我孫子市緑にある白樺文学館は、日本オラクルの社長だった佐野力さんが、2000年に旧志賀直哉邸の斜向かいに個人的に建てられたものだということを、副館長の渡辺さんから聞かされ、なんとも、かえす言葉がありませんでした。趣味が高じて、ここまでやるの。館長はもちろん佐野さんです。
3階建てで、3千点という志賀直哉、武者小路実篤、柳宗悦等の白樺派ゆかりの原稿や書簡、書籍を公開、展示しており、閲覧、読書ができるし、おまけに、地下の音楽室(オーデオルーム)では、柳宗悦の奥さんの声楽家兼子さんのCDも聞くことができるのです。私は、彼女が84歳の時に、リサイタルで歌った早春賦を聞かせて頂きましたが、とても80代とは思えない張りがある若い声でした。民芸という言葉を普及させた柳宗悦が志賀直哉を呼び、直哉が学習院仲間の武者小路実篤を招き、この3人が文芸同人誌「白樺」で活躍し、滝井孝作、中勘助も住んでいた、と聞かされ、無学な私はただただ恐縮する以外ありませんでした。このほかに、時間3000円で使用できるコミュニティールーム(26畳33人収容)や大口径反射望遠鏡付き天文台もあるという大変ユニークな文学館です。
直哉の我孫子時代はわずか7年半ですが、この間に「城の崎にて」「和解」「小僧の神様」「暗夜行路」(後編三まで)等の名作を次々と発表しますが、よほどこの地がよかったのでしょうかね。赤城山から来て、去っていった先は京都です。
本館は、入館料200円で、月曜日が基本的に休館で、午前10時から午後5時まで開館しているそうです。同館の斜向かいの地は、弁天山といい、ここに志賀直哉が使用したという離れの書斎(写真)がありますが、母屋はありませんでした。部屋の中を見れるのは日曜日と木曜日で、しかも時間を区切っているようです。
なお、2007年2月9日(金)午後6時30分より、同館において、島村輝女子美術大教授による「小林多喜二・マンガ『蟹工船』」の講演会があるそうです。会費は500円。問い合せ先は、04-7169-8468で、余談ですが、志賀直哉は小林多喜二を大変かわいがっていたそうです。だからその手紙も残って展示されていました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする