布施弁天界隈の自然と歴史情報

関東三弁天の一つである柏市布施弁天界隈の城跡、神社、仏閣等の歴史的遺産の紹介とあけぼの山近辺の花情報の提供

大堀川への鮭の遡上は生態系の破壊か?

2006-12-08 | その他
流山市の駒木台地先を源流として手賀沼に注ぎ込む一級河川大堀川に,昔から,鮭は遡上していないのに,なぜ,今回、遡上してきたのか。
皆さんは、北千葉導水路というのをご存じであろうか。これは、①渇水期の江戸川に利根川の水を送るため②利根川の水で手賀沼の浄化をはかるため、に設けられたもので、大堀川の上流の方から利根川の水を流している。具体的には,柏市の戸張の機場や流山市の駒木の機場から最大毎秒10tの水を流しているのであり,鮭の遡上が見られ始めたのは平成12年ごろからで、導水路の本格的稼働と符合している。鮭は育った水の臭いを求め,遡上してくるのだから,利根川の水で育った鮭が,間違って大堀川にきても不思議ではない。
平成15年には,50匹もの鮭が利根川の支流である手賀川の引き網にかかったということや同じ戸張の機場付近で2匹の鮭も確認されているし,その中間にある手賀沼でも漁協組合長によれば、近年、鮭を見かけるようになったと言っている。こうした遡上を単純に水がきれいになって良かったね!で済ませられるのでしょうか。
確かに鮭は,育った河川に戻ってくるのは,0.3パーセントといわれている。本市の26小学校と1幼稚園で鮭を飼育し,育った稚魚を利根川に放流している。卵は,毎年福島県の木戸川漁協より購入している。これらを例にとると、1校500匹でも13,500匹の0.3は400匹にしか過ぎないが,そのうちの2~6匹が大堀川に迷い込んだものと思われる。これをどう見るかということです。導水管の中を通ることは,成魚の鮭は出来ない。木下(きおろし)にある利根川の樋管から入り込み,手賀川~手賀沼~大堀川の新堤橋までやっきて,産卵行動をしたのだろう。鮭の生命力には感服するとしても自分としては、なんともあわれとしかいいようがない。人間の一つの環境保護というやさしさが,結果として,一つのこうした犠牲者(魚)を産んだという事実をかみしめ,生態系の破壊につながらないような手を講じる必要があるのではないでしょうか?
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