電車を止めた認知症患者の損害賠償責任はその親族に及ぶかという事案に、責任なし、とした最高裁小法廷の昨日の判決にはホッとした…
身の回りに認知症を患っている方はいないが、介護者の大変さを見聞きするときショックが少し和らいだ感じがしました。
判決は、認知症の夫の介護者たる妻と 別居中の長男に、妻は85歳で介護が必要な健康状態であったことと 長男は仕事の関係で月三回両親を訪ねるのが精いっぱいと判断し、両者に、認知症を監督することが可能な状況にはなかったとし、賠償責任は認められない、と判断したもの。
そのうえ、認知症や精神障害者の家族などが負う監督義務について、同居の有無や 介護の現場と財産管理の関わり具合などを、総合的に、且つ、事案ごとにみて判断すべきもの、としたものでした。
名裁きというか、皆さんがそうであってほしいと思っていた判決内容でした。
ただ、
今後、介護に熱心で、親身な方ほど責任が重くなりそうな判決であり、また、はいかい防止に、拘束衣や隔離・監禁状態が一般化する可能性を秘めた判決でもあり、goodな 被介護者にとっては逆風ものかもしれない との判決でもありました。
でも、
先ずは、薄・無給で心身の苦労の絶えない介護者に、ちょっとだが 気遣いを示してくれた判決でした。