カンボジア経済

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ムーディーズ カンボジアの格付け B2を維持

2020年05月26日 | 経済
 5月22日、国際的格付機関のムーディーズは、カンボジアのソブリン発行者格付けを今回も「B2」で変わらずと発表しました。また、今後の見通しも安定的としています。中国や欧米の経済のスローダウンの影響を受けて、カンボジアの2020年の成長率はマイナス0.3%に落ち込むと予想しました(前回5.5%)。2021年には経済はリバウンドして成長率は6.0%に戻ると予測しています。
 格付けを維持した理由として、長期的な成長の予想と対外債務の健全性を挙げています。新型コロナについては、国内の感染は限定的ですが、投資と観光に大きな影響を与えるとしています。特に中国との関係が密接なため、中国からの投資・観光に影響が懸念されるとしています。中国はカンボジアにとって最大の投資国であり、海外直接投資の43%を占めています。また、2019年の観光客数では36%を占めています。また、カンボジアにとって主要輸出先である欧米の経済の落ち込みは、カンボジア製品に対する需要を大きく減少させるとしています。
 金融については、過去10年は建設、不動産、住宅向けを中心に大きく伸びてきたものの、海外経済の落ち込みを契機とした不動産価格の暴落が、カンボジアの経済全体と金融セクターにとって大きなリスクとなっています。
 格付の見通しを「安定的」としたことについては、成長の一時的落ち込み、高度なドル化、貸付の急速な伸び等のマイナス要因はあるものの、高い潜在成長力、好調な政府歳入、政府借入の健全性等を考慮したものとしています。
 格付け向上のためには、組織や政策の効果を改善するための改革の実行が必要と指摘しました。他方、経済全体に影響を与え得る金融セクターの落ち込みや海外直接投資の継続的減少は、格付け引き下げに繋がりかねないので留意が必要としています。
 なお、ムーディーズの格付けでは、AaaからBaaまでの10段階は「投資適格」、Ba以下は「投機的」と分類されています。カンボジアの「B2」は、「投機的とみなされ、信用リスクが高いと判断される債務に対する格付け」と定義される「B」のうち中位にあることを示しています。
(写真は、中国企業が投資するゴールドタワー42。工事がなかなか進みません)

ムーディーズのサイト(英文です)
https://www.moodys.com/research/Moodys-Cambodias-credit-profile-balances-disruptions-to-growth-and-trade--PBC_1229935



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