カンボジア経済

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EU カンボジアに特恵関税継続か

2018年07月17日 | 経済
 7月12日、欧州委員会(EC)及び欧州対外行動局(EEAS)の調査団は、7月5日から11日までのカンボジア滞在中の調査結果を発表しました。EUでは、カンボジアに対して認めている特恵関税制度(EBA)に関して人権状況等が基本的な必要条件であるとしているため、調査団は、カンボジアで最近懸念されている人権や労働者の権利の状況について調査を行っていました。
 EUは、今年に入って外相理事会やカンボジアとの合同委員会で、最大野党の救国党党首の拘束や救国党解党命令等、カンボジアの強権的対応への懸念を表明し、改善が見られない場合は、カンボジアに対して認めている特恵関税制度に影響しかねないと警告していました。
 今回、政治的権利・選挙に関する権利の侵害、市民活動の抑制に焦点を当てた調査を行ったとしています。また、土地問題解決方法に関する欠陥や、結社の自由、団体交渉権に関する深刻な脅威も問題であるとしています。EUでは、特恵関税を認めるにあたって、人権、基本的自由、労働条件等の尊重が重要な条件となっていると強調しています。その上で、調査結果を更に詳細に検討し、次のステップを考えるとし、更に、特恵関税制度からカンボジアを排除することは、懸念事項に対処する全ての手段が尽きた後の最後の手段であるとして、慎重に検討する意向を示しています。
 特恵関税制度については、カンボジア経済に重大な影響を与える事項であり、カンボジア経済にとって大きなリスクの一つでした。しかし、EUが結論を先送りしたことで、一息ついた形です。今後もEUとカンボジアで粘り強い対話が継続されることが望まれます。

欧州委員会の新聞発表(英文です)
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-18-4467_en.htm

ブログ「カンボジア経済」2018年3月29日「カンボジアとEU 合同委員会開催」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/7b979b2302297cff155470841c9c5b62

ブログ「カンボジア経済」2018年3月8日「EU外相理事会 カンボジアへの制裁検討へ」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/686369b89f0c23c9b6137cbf62d1a0e4


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