大震災の教訓を風化させまいと、保存に向けた論議が活発化している。
国は、補助制度を設けて保存の動きを後押しするが、自治体の負担は大きく、早々に撤去されたものも多い。
陸前高田市の「奇跡の一本松」は、「一本松があることで、津波の被害や避難の必要性を今も身近に感じられる」と、津波を経験した住民にとって大きな存在となっている。
前向きなイメージの一本松と違い、遺構の多くは被災の負の記憶を呼び起こす存在でもあり、姿を消していくものも多く、各地で、地元の意見が割れるケースが目立つ。
言葉だけでは津波の威力を伝えるのは限界があり、「時間が経てば被災地を忘れないで」と遺構を保存する方向に気持ちが変化する住民も増えていくとして、合意形成を急がないことも重要とされる。
(参考:読売新聞)