エ・ビ・ス Eco Business Study

環境ビジネスの研究をしています。
エコロジー・ビジネス・スタディ

グリーンランドの温暖化が招くイヌイット文化の崩壊

2009年01月31日 18時17分20秒 | ニュース拾読み
北極圏は環境汚染や温暖化の影響が目に見えて現れやすいと言われており、
研究者は、環境の汚染や温暖化にまつわるデータ収集をメインに
観測を行っている。

ただ、現在騒がれている北極海の氷が融けているという報告は、
あくまでも人工衛星から見た報告であり、冬の海氷がどのように成長、
発達するか、現場での実際の海氷データを収集などを通して、
温暖化の事実をさらに正確なものとしていくことが必要だ。

極地探検家の山崎哲秀氏らが2006年から2008年の冬季にかけておこなった
グリーンランド北部地域の調査では、海氷の凍りつく時期が遅く、
融ける時期も早くなっていることが判明した。
また、風が吹けばすぐに壊れて流されてしまうなど脆さも増しているという。
これまで20年間にわたって見てきた山崎氏だからこそ実感できる事だ。

山崎氏は、この事実は現地の自然環境とは確かに違ったものであり、
近年の温暖化の影響だと語っている。
実際に現地を見てきた人の話には、机上のものとは違い説得力がある。

その温暖化の影響はグリーンランドのイヌイットの生活にも
多大な影響を与えている。

彼等は、はるばるアラスカからカナダ沿岸地域を経て、
グリーンランドへと生活範囲を広げていったと言われている。
その移動手段は犬ぞりだ。

この犬ぞりは極地の自然の中では利にかなった乗り物で、
何千年も昔から、彼らの生活の中で使われてきた。
しかし生活環境の変化から、カナダとアラスカでは
イヌイットスタイルの犬ぞり文化が崩壊し、スノーモービルへと移行した。

グリーンランドでも温暖化の影響で海氷が融け続ければ、
移動手段としての犬ぞりは使えなくなってしまうだろう。

犬ぞりはイヌイットの伝統的文化であり、その文化が
途絶えてしまうのは寂しい事だと思う。


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