江別創造舎

活動コンセプト
「個が生き、個が活かされる地域(マチ)づくり」
「地域が生き、地域が活かされる人(ヒト)づくり」

千紫万紅~市民作家の活躍2

2015年12月27日 | 歴史・文化

 昭和58年、吉田豪介が1960年以降の道内の美術状況を叙述した「北海道美術をめぐる25年」を刊行しました。今田敬一の名著「北海道美術史」に次ぐ労作でもありました。
 その他、砥下蕃光「版画と私」(59年)、中嶋静恵「生き残り生き直し」(60年)、坂本与市「森の昆虫中記」(61年)、同「おもかじ一杯」(62年)、矢野牧夫「黄金郷への旅」(63年)、土谷茂樹「ホームドクターの回転椅子」(H元年)などがありました。

 また、木版画絵本に独自の世界を開いた手島圭三郎が61年「きたきつねのゆめ」(福武書店刊)で'86イタリア・ボローニャ国際児童図書展の特別賞に入選しました。
さらに、昭和62年、63年の2年連続で米紙ニューヨーク・タイムズ選「世界の絵本年間ベストテン」に選ばれるなど、国際的な高い評価を得ました。

 定期出版分野では、「小さな随筆誌」として長年親しまれた「紅」が63年10月、終刊(通巻150号)となりました。
31年2月、岩田醸造株式会社の企業PR誌として出発した「紅」は、企業色のほとんどないスマートな編集ぶりと、多彩な執筆者による内容の豊富さなどから、全国に固定ファンを持っていました。
昭和37年から札幌と東京で年1回づつ、紅の会(執筆者の集い)を開いてきましたが、平成元年10月の例会は江別市情報図書館を会場に開かれました。
これは、会主宰の岩田政勝が会員に個人蔵書の提供を呼びかけ、集まった蔵書と、紅のバックナンバーを合わせた約3千冊を同図書館に寄贈しましたことにちなんでの、江別開催でした。

 紅終刊後、全国の会員約700人の強い願いもあり、季刊「紅通信」が発刊され、平成6年10月現在17号に達しました。10頁前後の小冊子ですが、内容的には紅の踏襲、多彩でした。
岩田の連載「私の近況」の飄逸な筆さばきが楽しまれました。


註:江別市総務部「えべつ昭和史」742-743頁.
写真:江別市内美術活動の中心となった北陽会
 同上書557頁掲載写真を複写し、当ブログ掲載いたしております。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする