エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

道東遠征その1 サマッケヌプリ山(1062.5m)

2019年02月13日 | 山紀行 (道東)
今年初の夫婦遠征は道東へ・・・
未踏峰を求めてサマッケヌプリ山(1062.5m)
■ 山 行 日    2019年2月11日(祝月)  日帰り
■ ル ー ト    荒川林道~東尾根ルート
■ メ ン バ ー     夫婦登山 №3
■ 登 山 形 態     山スキー
■ 地 形 図    1/25000地形図 「サマッケヌプリ山」「俣落岳」
                      「養老牛温泉」「第二俣落」

■ 三角点・点名   一等三角点  点名「砂馬毛岳 サマッケダケ」
■ コースタイム   登り  6時間  下り  3時間20分
<登り>
07:35      浄水場除雪終点P出発
08:30      315林道二股(直進)
09:07~15   375林道二股(右へ)休憩
10:00      C470林道終点
           SB渡渉
12:10      C820東尾根コル
13:10      C1030付近 スキーデポ
13:35      サマッケヌプリ山頂上
      
<下り>
14:00      下山開始
15:35      林道終点
16:05      375林道二股
16:35      315林道二股
17:20      P



実際に使用した地形図とGPSログ

★ 2019初の夫婦遠征・・・
いつも休みと天気に恵まれないまま何度も計画山行が中止になったり変更を余儀
なくされて、本来の目標である未踏1000m超峰への挑戦が出来ないでいた。

2/10~13まで夫婦で4連休が取れていたが、12日は道北の「ピヤシリ山
987m」(北海道百名山)に神奈川から来道していたHYMLの岳友GAKUさんの
希望でHYMLの松ちゃんとチーヤンを含めた4名で登る予定をしていた。

当初の夫婦計画は、11日に道北の屋根棟山~函岳に登り12日はピヤシリ山だっ
た。しかし、GAKUさんと松ちゃんが天気の良さそうな9日に登る事となり、二人
で無事「登頂した」と連絡を受けたので私たちの道北遠征は中止する事にした。

この時期、天気が良さそうな十勝から道東方面に遠征を切り替え、夫婦山行を行
う事となった次第だ。

ピヤシリ山に登ったGAKUさんと松ちゃんの報告によれば快晴、無風の登山日和で
非常に寒かったが無事登頂し絶景も望めた・・・とあったので安堵した。
ピヤシリ山は、北海道百名山だが私たちも未踏の山だったので、是非この機会に
登りたかったが、いつか機会を見つけて登る事に決めた。

天気予報を見ても、この時期晴れているのは道東・・・
そして全道的に極寒の日が続き、札幌でも最高気温が-12℃という稀に見る寒さ
の日が続いた。
そんな中で最終的に決めた山が、サマッケヌプリ山とフレベツ岳だった。


★ 極寒の車中泊・・・
宿泊地は、道東・道の駅「摩周温泉」駐車場
途中、名寄のそば処「両国」で昼食を取り摩周(弟子屈町)に着いたのは15時だった。
すでに気温は-19℃の凍れる寒さである。買い出しを済ませ道の駅に一番近い温泉
「ペンションBirao」の「ビラオの湯」でゆっくり温まって車に戻った。
夫婦共、久しぶりの車中泊だったが、いきなり極寒の中の車中泊には覚悟を決めた。

ホテルハイエースでの安着は、極寒でも冷たいビールは欠かせない。
美味しい鍋と日本酒も付いてほろ酔いとなり20時過ぎには就寝体制となった・・。
シュラフは、冬用と夏用の二枚重ねで使用すると-20℃超えでもなんとか耐えられる
事は経験済みで、朝までぐっすり眠る事が出来た。


★ 登山口へ・・・
道の駅から登山口までは30㎞ほどの道のりだが、細かいルートはHP「一人歩きの
北海道山紀行」坂口さんの記録を頼りにカーナビで辿った。
30分ほどで「中標津西竹浄水場」のある林道に入り、最終除雪地点に駐車した。
携帯GPSでも現在地を確認し、登山開始の起動を始め出発する事にした。
快晴・無風で絶好の登山日和。これまでにない幸運か山の選択肢が良かったのか?は
別としてスタートは好調だった・・・。



歩き始めた荒川林道から遥か向こうにサマッケヌプリ山を望む


315林道二股付近から西に望む「西竹山 698.5m」

★ 約7.5㎞の荒川林道・・・
地図とコンパスそして携帯GPSを駆使して失敗しないルートを目指す。
しかし、浄水場から少し歩いて荒川林道に出るとスノーモービルが走り尽くした様に
モービル痕だらけにがっかりである。それでも「ラッセルしないだけ良しとするか」と
自分に言い聞かせ快晴の林道を淡々と歩き、チェックポイントで現在地を確認していた。

ほぼ真北に進む林道の向こうには、目指すサマッケヌプリ山が真っ白い山容で顔を出し
ていた。それは地形図で見ても遥か向こうでチト不安になりそうな距離感を感じた。

アップダウンが何度かある林道なので下り場面でもシールが外せないなぁ~とスキーを
楽しめない山だとすぐに悟る。

坂口さんの記録では、林道終点まで1時間40分で着いていたが、私たちは2時間25
分も掛かっていた。休憩もほとんど取っていないのでこの差は単にスピードなのか?と
スローな自分たちに気が付く次第だ。
更にここから東尾根のコルまで1時間25分で着いている坂口さん一行に比べ私たちは
2時間10分も掛かっていた。ルート取りも問題ないが、徐々に登頂への不安が募って
来た時でもあった。

林道終点からすぐに荒川の支流を渡渉するが、SBが微妙で急斜度の場所しかなく苦労
したが、その後はモービル痕から解放されて小さな尾根上を軽いラッセルで登る事が出
来た。しかし、600m付近から再びモービル痕が現れそれがルート上にある事とサマ
ッケヌプリ山の南斜面から頂上直下までトレースが付いているのが見えた。
敢えてモービル痕を外して歩いても縦横無尽に走り回ったトレースに必ず交差し、静か
で奥深きイメージが台無しになったとテンションが下がった。



標高550m付近の南東尾根状・・・白樺の樹林帯


標高650m付近にて サマッケヌプリ山が近づく実感・・・

★ 東尾根コル・・・
標高約820mの東尾根コルに着いたのは12時である。
開始からすでに4時間半が経過し、正直疲れが出て来たのは私だ。
足取りが重くペースダウンとなり元気の良いチーヤンに先頭を懇願した。
東尾根は距離こそ短いが、900m付近から斜度が増し急登となる。
途中に若いダケカンバ林の間をうまく交わしながらジグを切って慎重に登っていく。
ここもチーヤンが先を行き、私はトレースを辿った・・・。



東尾根コルを目指して歩く・・・


急斜度の東尾根をスキーで登るも・・・

★ スキーデポ・・・
さすがのチーヤンもビビル斜度と浅い積雪の下が固くスキーのエッジが利かない
場面が多くなって来る。転けたり足を滑らすと止まれない斜度と痩せ尾根。
ダケカンバの若木も無くなり恐怖感が湧いて来るところだ。

もう少しで頂上尾根というところで「スキーをデポしても良いかなぁ~」と
チーヤンから声が掛かる。「ここからアイゼンを履いて登ろう」と言われたが、
ツボ足でも大丈夫だ!と応えてツボ足に変えた。
標高約1030m地点だった・・・。



標高約1030m付近でスキーをデポ ツボ足、キックステップで登る


サマッケヌプリ山の頂上尾根・・・

★ 念願の初登頂・・・
ツボ足に変えて直登すると僅か数分ほどで頂上尾根に登った。目指すピークは西に
250mほど先でチーヤンが先にピークを踏んだ。
快晴とまでは言わないが、風が無いのが何よりで寒くなかった。
一等三角点であるだけに360度の眺望が得られ、北に鋭鋒、斜里岳を望み
その向こうに平らに見える海別岳も望めた。遠く知床の海には流氷も確認出
来遥々来た道東を実感する。
南西には登山道のある標津岳が間近で、東にはまだ未踏の俣落岳も望む。
辿って来たルートを振り返りよくぞ登って来たものよ!と自分たちを褒めた。

このルートは、GPS無しでは難しいルートかも知れない。少なくとも私には
地図とコンパスだけで登れる自信は無い山だった。
登頂出来たのは、相棒チーヤンのお陰といつもながらに感謝する次第だ。



頂上から望む「斜里岳 1547m」

★ 想定外の6時間登行・・・
諦めて帰る・・・事は考えなかった。
しかし、弱気になった事や疲れて重い足取りが情けなく不安で一杯だった。
いつもなら登行は何時までと決めて過ぎれば下山というのも無理をしないエバ夫婦の
決め事だったが、今日に限ってはちょっとだけ無理をしてでも登頂に至りたかった。

今年最初の未踏1000m超峰への挑戦であったこと。
想定外の登行時間も下りで明るい内に林道まで着けたら無事帰れる見通しであったこと。
ここにリベンジの遠征など考えたくなかったこと・・・などが、大きな要因だ。



2019年2月11日(祝月) サマッケヌプリ山1063m 初登頂  (背景の山は斜里岳)


サマッケヌプリ山頂上にて 俣落山方面を背に・・・


頂上から望む南西隣の「標津岳 1061m」


頂上から望む「海別岳 1419m」


頂上から東に連なる「俣落岳 1003m」山群

★ 月夜の下山・・・
下りで写真は一枚も撮らなかった。
スキーデポ地点からシールを付けたまま下降体制に入る。
慎重にキックターンをしながらある程度の標高まで降り、疎林帯の南斜面に移動して
シールを付けたままでもパウダーを楽しむ下降が出来た。その後も林道終点近くまで
出来るだけ登り返しのないモービルルートを辿ると約1時間半で林道終点に着きまず
は安堵する。

そして、ほとんど休みなしで淡々と長い林道を歩き登山口の車に着く頃には月夜の下
山だった。

往復10時間というハード山行も無事、登頂し下山出来た事に互いに褒め合った。

今夜の宿、実は阿寒湖畔のホテルを予約していた。これも初登頂のご褒美でもあり
極寒の地に車中泊の連泊はしたくないと私のわがままだった・・。
夫婦山行であるが故、叶う贅沢かも知れない。
宿に着いたのは19時半。夕食無しの素泊まり予約で良かったと安堵する。

宿のオーナーから20時10分から「花火」が上がるよと知らされ、花火好きの
チーヤンが食いつく。これはサプライズ的ご褒美よ!と疲れた身体に鞭打っても
出掛け、ほんの10分だったが盛大な花火に癒されて宿に戻った。

安着と温かい温泉にすっかり旅行気分で酔いしれる。
ホテル予約は正解だったなぁ~と夢見心の私だった・・・。



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※ 遠征その2は、フレベツ岳~白湯山


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6 コメント

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1000m超峰 (エバ)
2019-02-16 14:05:06
みなみんみんさん そうなんですね!

山のカウントには、ひとそれぞれの基準があって1000m超峰と言っても
「全〇〇座」と決まっている訳ではありません。
私の場合は、国土地理院発行1/25000地形図に名前の載っている1000m超峰を
ベースにしていますが、名前が無くとも登山界や地域で親しく呼ばれている山や
岳もカウントしています。

今のところ「442座」を1000m超峰の目標として登っています。

因みに相方さんは、何座を数えていますか?また、これまでに何座登ったのでしょうね・・・気になります。
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Unknown (みなみんみん)
2019-02-15 14:06:29
1000m越のお山に相方さんが挑戦しているので、エバさんのブログをよく参考にさせていただいています✨
返信する
ありがとうございます (エバ)
2019-02-14 16:33:30
GAKUさん 昨日の帰宅ですね。
北海道の冬山は堪能出来ましたか?

ピヤシリ山一緒に登れず残念でしたが、天候が荒れやすい
この時期なので9日アタックの選択は正解だったと思います。
本当にお疲れ様でした。

ピヤシリ山登頂の知らせを聞き、道東の山に切り替える事が出来たのも
お二人のお陰だと感謝しています。
だからこそ登頂しなければ・・と強く思い踏ん張りました!

俣落岳も今シーズンに登ろうと思っています。
遠い道東の遠征、海別岳もあります・・。

体力も大切ですが、何より気持ちだと思います。
是非また大好きな北海道に来てくださいね。待っています。
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登頂おめでとうございます (GAKU)
2019-02-14 15:19:44
やはり道東への転進が正解でしたね。
好天に恵まれたとは言え、10時間もの頑張りで久しぶりにゲットした1000m超の山頂の感動が伝わってきました。
隣の俣落岳にもいつかチャレンジされるのでしょう。私にはもう叶わぬ山々なので、エバさんの挑戦を楽しみにしています。
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登りがいがあります・・ (エバ)
2019-02-14 12:44:17
みなみんみんさん どうもです。

私たちは、往復で10時間も掛かってしまいましたが
みなみんみんさんならもっと早いと思います!

1000m超峰に興味があるんですか?
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Unknown (みなみんみん)
2019-02-14 12:31:20
10時間の山行お疲れ様でした。素晴らしいです(*^^*)
1000m越のお山なので参考にさせていただきます✨
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