はにわ日記

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映画 ありがとうトニ・エルドマン 

2017年07月12日 | 映画
父と娘のヒューマンドラマ。
ドイツで大ヒットなんだって。

ストーリーは
離れて暮らすバリキャリ娘のもとに能天気パパがやってきて、
「トニ・エルドマン」人を名乗って、いろんな騒ぎを巻き起こす。
はじめは、父親の迷惑行為にむかついていた娘も、
最後には、
仕事人間だった自分から解放されて幸せを実感するというもの。
「お前は今幸せか」と問いかけられ、
成功こそ幸せと、今の自分に不満もなかった娘も
父親との関係を修復したことで、家族との絆こそホントの幸せだったのねと
考えを改めるという結末。
変人パパが、ユーモアをもって娘を修正した、というハッピーな物語。
目新しくはない。

発見はあったか?
アメリカ映画に慣れている自分を再確認した。
女優のシワ一つ、老人の毛穴一つも美しく作り込んでいたのだなあ、と。
1コマ1コマをプロフェッショナルのあの手この手で
作って化かして化かしまくる。現実風な味付けをした作り物に仕上げる。
そんな作り込まれた映画だからこそワクワク、ドキドキするのだ。

翻ってこの映画。
画面が、どうにもこうにも、普通。地味。
お金かかってない感じ。気分は盛り上がらない。
女優さんはキレイだと思うが、普通といえば普通。
そこらへんにいそう。思考も表情も、普通にいそうと思うと、
かえって共感とか感情移入に至らない。

父親は、善人で小汚い感じがリアルで期待持てそう。
やってることは破天荒でファンタジー。
ファンタジーなのに、画面が地味で夢がない。
ファンタジーって、これでもかーって作り込んでもらわないと
素人のYOUTUBEを見ているみたいで、残念無念。

良い映画のはず、楽しいはず、と思って160分。
ああ、何をもって楽しめば良かったのか?
ドイツ人はなぜ、どこが気に入ったのだろう?
私の無教養と感性の低さだけが、原因なのだろうか?

ハリウッドでリメイクされるそうだが、
願わくば、90分くらいで、きれいめ出演者で、カラフルなデジタル処理画像で、
ストーリーには。ちょい、毒も盛ってほしい。