はにわ日記

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井上陽水

2009年08月30日 | Weblog
8月30日。日差しが強く、空気が涼しく、夏が終わるのだなあと
ほっとしています。 今日は井上陽水の誕生日。
  
GOLDEN BEST


先週、NHKの4夜連続特番を見た。NHKで陽水である。しかも
4日連続。破格のVIP待遇。音楽活動40周年という。
そして誕生日だからこのタイミングか?お茶目だねNHK。
しかしこのVIP扱い。この規模の特集に耐え得るメディア人って、
ほかに誰がいるだろう。うーん。
マイケルとか? まあ化け物級じゃないとつとまらないことは確かだ。
さて、
NHKはドキュメンタリーがお上手。
宣伝色がないから、音楽番組だけど雑音がないのがいい。
インタビューが多くて豪華。音楽畑以外からのコメントが
特におもしろかったのだが多すぎて・・、再放送してほしいよ。
(NHKサイト参照)
伊集院静、五木寛之、上野千鶴子、奥田民生、小田和正、金子昌平、
川瀬泰雄、操上和美、黒鉄ヒロシ、小林聡美、コブクロ、
小室等、沢木耕太郎、スガシカオ、多賀英典、中島みゆき、中村冬夫、
野見山實、一青窈、平原綾香、藤子不二雄A、星勝、
みうらじゅん、水谷豊、持田香織、安田裕美、安室克也、山下洋輔、
リリー・フランキー、ロバート・キャンベル ほか

陽水といえばその昔は反マスコミ特に反テレビの代表格だったのに、
いつの間にかテレビ好きの出たがりさんに変化していた。
年取ったからかかな、評価が出来上がった大御所だからかな、
テレビの世界をすいすい泳いで遊んでいるように思える。そう
「スイスイ&フワフワ」とね。
大御所なのに、まだまだ新しい顔を見せてくれるから、いつも新鮮なのも
いいよね。
教育テレビのOAでしたが、非常にPOPな印象。陽水のフットワーク
の軽さは天賦のものでしょう、音符に載せる歌詞はまるで言葉遊びのように
突拍子もないのですが、意味わかんなーい、と言われるのを待っているような。
いたずらっこねえ、と言われるのを待っているような、おっさん。
そういえば、宮沢賢治との対比もされていたっけ。ボブ・ディランより
わかりやすかったな。
毎日4-5つほどのキーワードと絡めて、
曲やら40年の歩みやらを紹介しているけれど、
ふわふわ浮きながらキラキラ回る多面体のおっちゃんを、余すところなく
紹介するのは、NHKでも難しかったのかな。聞きたい曲も、
分析してほしい歌詞も、掘り下げてほしい話題も、もっとあったよ。
さて、90年代初めに出た「少年時代」今の季節にピッタリの曲。
当時も名曲だと思ったが、今や夏のスタンダードになった。冬の
クリスマス・イブ(山下達郎)の夏版だ。おそるべしふわふわおっさん。
その後、奥田民夫とつるむようになって、ポップで意味不明歌詞路線がますます
強化され、その昔、あまりの暗さに避けて通っていた陽水が、いまや
平成の無責任男と言いたくなるほど、スイスイとやりたいことをやっている。
言葉選びのセンスは。ボブディランの影響があったと分析されていたが、
テレビの中でスイスイ泳ぐ様は、高田純二にそっくり。
あと、忘れてはならいのはあの伸びのよい声。上手いというより、陽水ブランド
の包装紙みたいなもの。あの声がなくては、あのふざけた歌詞も湿った曲も
ただの名曲。あの声が乗るから、確固たるブランドになる。
これは松任谷由実とおんなじ。