陰と陽

2006年04月01日 23時49分03秒 | 旅するふっき~
「陰」と「陽」は対照的なものごとを示す相対(あいたい)する言葉。
「裏」と「表」に同じく、
但し、裏日本、というような言い方は差別用語になり、山陰は許されるのが日本語の怪しさ。
「善」と「悪」ではなく、「内」と「外」とも違う。
なぜなら、「陰」が「善」にも「悪」にも対応しかねるからだ。
陰気な人はマイナスイメージだけれど、検査で陰性になるのは喜ぶべきことだろう。
今日は、「明」と「暗」を語るために、「白」と「黒」を相対するものとして考える。

  今日は朝5時台の列車で新潟県へ。
  写真はJR飯山線横倉駅~森宮野原駅間で。
  線路に残る血痕も鮮やかに、獣のものだろうか。

  白い世界とは、こういう世界。
  たぶん日本人の多くは知らない世界。  

  積雪は軽く身長を越えているところもあったりで。
  ほら、ニュースで話題になってた津南町。

  千鳥ヶ淵のボート漕いでる映像を見てきただけに、
  なんか日本って、しかも東京と新潟の距離で、
  これほどまでに「寒」と「暖」の差があるのか、
  と驚いてしまった。

  県境を列車は終始俺ひとりを乗せて集落を縫う。
  高校生が慌しく乗り込む。春休み、でも単語帳。
  「楽」と「苦」が向かい合わせ。
  急ぐ彼らは足早に十日町駅を去る。
  「緩」と「急」の違いか。

十日町駅ホームには長い行列が列車を待ちわびていた。列車は予想通りの混雑。
「空」と「満」を、1時間のうちに味わうことになった。それにしてもこれほど混む理由は?
越後湯沢に着いて、スキー客を無視して温泉へ。
駒子の湯」は500円。とにかくススメる。薦か勧か、はたまた奨か迷うからカタカナが多いんだ。

列車は土合駅へ。
この駅を知らぬは一生の損。
一度は訪れておくべきである。
知らない方は「こちら」を必ずやご覧頂きたい。
写真は462段の階段を最上段から見下ろした形。

暗闇の世界とは、こういう世界。
たぶん日本人の多くは知らない世界。

「上」から「下」までの恐怖は計り知れない。
もちろん、下から上へのしんどさは計り知れない。
1.5往復した俺に乾杯。20分で往復。
息は切れ切れ。
駅の外の雪の「白」と闇の「黒」の対比は、目にいかにも悪いと感じる。
買っておいた昼食を誰もいない駅で食べていると、車で来た観光客ファミリー到着。

正直恥ずかしい。

長岡行きに乗るべく再び地下のホームへ。
トンネルに入った列車が、まだ何キロも先で轟音を上げてこちらに向かっている。
「静」かなホームが急に「騒」がしくなる。同時に「闇」は「光」に包まれる。

今日は常に、何かを味わいながら、何かを考えながら、列車に揺られていた気がする。
人間は、何かと何かを、こと自分と何かを比較しなければ生きていけないイキモノらしい。
「真」はこの世にひとつしかない。でもそれに相対する「偽」なら、いくつでもある。
ホンモノは何か、ニセモノは何か。
何だろう?何なんだろう?俺は何かに騙されているのだろうか?脅かされてはいないだろうか?

エイプリルフールだというのに、清純すぎるボクは、嘘のつき方を知らないことを悔やむ。
ボクは心が清すぎるんだ。なんていい奴なんだ。俺ってばすげー。LOVE自分。

この旅の結論。
嘘、じゃなかったら、いいのにね。