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e-Tetsuによる「アート」と「釣り」の生活誌

マイクロソフトに見るグローバル企業の悩み

2004-08-21 | ◆ビジネス
マイクロソフトがビジネスを展開している国の文化や言語などを十分理解していないがゆえ、大きな損害を蒙ったという記事。これだけグローバルに展開している企業であれば、企業文化もマルチ・ナショナル、多様な才能が活用されているのではないかと想像したが、その内実はそうでもないのかもしれない。

記事によるとマイクロソフトはこんな失敗を犯している。

・Windows95。インドの地図上、紛争地域カシミールの色を少し
 変えたら、インド領ではないと解釈されて、販売中止。Win95
 20万本回収。

・コーランの旋律をコンピュータゲームに利用して、サウジ政府
 の怒りを買う。ゲーム回収。

・イスラム戦士が教会をモスクに変えるゲームを開発して、サウ
 ジの怒りをさらに買う。

などなど。当該地域の文化を判っている人には常識であることも、そうでない人には全く理解されていない現状が浮き彫りになる。

マイクロソフトにしてみれば、開発拠点を集中し、そこから全世界へソフトを配布するほうがコストはかからない。一方、グローバルに配布されるソフトが地域文化と融和できるものであるかを把握するためには、開発のローカル化(これは実際に現地で行う方法と、現地の開発者を招くという方法があろう)が求められるが、それを実行するにはコストが掛かる。

が、例えばマクドナルドやスターバックスがグローバリゼーションの象徴として攻撃の対象となっていることを考えれば、異文化を理解しないソフトウェアをグローバルに配布することは、マイクロソフトにとってはリスクの高い戦略となろう。


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