回顧録 Vol .7

2021-09-12 08:55:54 | Weblog


一人で今迄経験の無いほどの大量のパン作りを始めて2日目に私の嫁さんも熱が出始めた
閉店後病院で検査
インフルエンザに感染していた
直ちに点滴開始して熱も下がりその夜は安静にして朝を待った
暫定オーナー(めんどくさいのでH男にします)の嫁に連絡して出勤するよ伝えるが
子供が小さくほって置けないので出勤できないと言う
誰の店だと思っているのかと強い口調になったが「ごめんなさい」で済まそうとした
腹が立って仕方なかった
私の嫁さんの熱も下がり今休む訳にはできないので店に出ると言う
翌朝私はいつもの様に出勤してパン作り
嫁さん出勤して来たので大丈夫かと尋ねる
「大丈夫では無いけどHの嫁が出ないので仕方がない」と言う
とにかくこの酒蔵通りで成功して次々色んなお店ができることが長年の夢
その夢のために嫁さんも覚悟を決めていたのだと思った
1人でパンを焼き始めて一週間が経った頃
今度は私の体に異変が起きた
その日の最後のパンを焼き終える頃
オーブン1番下の棚を見て立とうとした時体に力が入らない
しゃがんだまま立てない
膝を床につけたまま何とかパンを出した
その日はHの嫁が出勤していたので
少し休んで明日の仕込みも済ませ病院に連絡
主治医から救急車を頼んですぐにくるよう言われたが
車で朦朧としながら病院に着いた

救急搬送の入り口で主治医が待ってくれていた
直ちに処置室に入ると既に点滴の用意がしてあり
点滴しながら先生の治療が始まった
重度の過労と脱水症状もひどい
どうしてこんな事になったのかオーナー夫婦は大馬鹿者だと先生は怒った
2時間くらいして治療は無事終了
そのまま横になって落ち着いたので店に帰った
Hの嫁が大丈ですかと聞く
大丈夫な訳ねーだろうがとはき捨てるように言った
次の日もその次日も1人でパンを焼き
もしかしたら俺は死ぬかもしれないとさえ思った
二週間近く経ってHが出勤
地獄の3月も終わり4月に入って間も無く
Hが耳を疑うような事を言って来た
聞いた途端私は虚しさのあまり呆然とした

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