E-OJISANの焼酎研は飲める!


2月24日(金)はNPO E-OJISANのオフ会、 72回目の焼酎研究会。 会場はよくお世話になっている 〇吉八、浅草https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131102/13045439/
参加の皆さん、しっかり飲んで(ストレート、ロック、水割り & 湯割り とそれぞれ好みに応じて)、食べて大満足の夜だった。
プログラムは以下の通り
まずはビールで乾杯、
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今回は国分酒造の焼酎をチョイス。
お題 : (鹿児島の酒問屋 コセド酒店の責任ある方の協力を頂いた)
杜氏の安田さんは芋麹の焼酎をどこにも先駆けて復活させるなど、焼酎造りの歴史を紐解き、戦前の造りに現代の技術を融合しながら幅広い酒質を生み出している。
飲み比べ本格芋焼酎の変化を感じる事。
1)芋麹 芋 *白麹仕込(芋麹)、黄金千貫、鹿児島2号酵母
<解説>
戦中から戦後に掛けて米は貴重なもの。 米麹を使用することが難しくなっていた時代に生み出されたのが芋麹造り。 現在の芋麹造りは乾燥芋を米粒のように小さなダイス状にしたものを使うのが殆どですが、安田杜氏は昔の造りにこだわり、丸芋の状態に麹を付ける手法を採用。 この手法は技術がないと発酵不良をおこし、美味しい焼酎にはならず、アルコール量も収得できない。 米に比べるとタンパク質・脂質の割合が少ない芋麹はキレがよくすっきりと仕上がりやすいと言われている。(タンパク質・脂質は焼酎の旨味成分である高級脂肪酸エチル類を造り出す。)
<香味特徴>
シャープな芋の香りと、芋本来の旨味にドライな喉越しを堪能できます。キレとスッキリさが特徴の芋麹仕込みのスタンダード酒。
2)大正の一滴 *黒麹(米麹)、黄金千貫、C14酵母
<解説>
沖縄より黒麹が伝来するまで焼酎は黄麹を使用。 クエン酸を生成しない黄麹造りは温暖な南九州では腐造と隣り合わせの危険な造り。 黒麹菌の特性であるクエン酸生成をより高める為に麹の菌糸を米全体と中心にまんべんなく生やす老麹は理にかなった造りだったと思われる。 味わいは少し苦味を伴う。 現代では製麹やもろみの温度管理もコントロールしやすく、老麹で造る蔵は限りなく少ないが、香味の特徴を出す為に試験的に挑戦しているところもある。
<香味特徴>
やわらかくコクもある。苦味など複雑に絡み合う深い味わい。
3)蔓無源氏 *黒麹(米麹)、蔓無源氏、C14酵母
<解説>
現在、主要な芋品種は昭和41年に開発された黄金千貫。 芋麹や老麹の造りに挑戦し世に送り出した安田杜氏は、更にその時代に思いを馳せ、当時の芋での造りをと考え、出会った芋が明治40年に発見され、大正時代から昭和前半頃まで作られていた品種「蔓無源氏(つるなしげんじ)」。 10本の苗より栽培をスタートし復活し数年かけて仕込みができる量まで増やた。 芋の栽培、当時の仕込みの再現には多大な困難があったが、蔵元をはじめ関係者の強い想いが原動力となった。 蔵元が求めた「大正時代の焼酎」が再現、誕生したのが芋焼酎「蔓無源氏」。
<香味特徴>
芋の特徴が表現され旨みと甘みがふかし芋のような風味。 熟成に2~3年と時間を掛ける事で芋品種の特徴を引き出しブランデーや干し葡萄を連想させる香りも感じられ心地。炭酸割りもおススメ。
4)安田 *黒麹(芋麹)、蔓無源氏、I33酵母
<解説>
上記3銘柄で培った技術の集大成が安田。 初年度の造りは、その年の仕込みの最後(12月)に計画、12月に収穫の熟成芋を使用。 熟成芋(芋傷み)特有の香り(一般的にライチ香)が色濃く出た仕上がりとなった。 業界の常識では、 熟成芋の香りはオフフレーバーとして捉えられ失敗作として認識されかねないもの。 しかし、様々な飲み手の試飲の反応に面白さを感じた笹山社長と安田杜氏は翌年、安田を市場へリリース。 業界では賛否両論、 一般消費者の反応は素晴らしく、現在では熟成芋を使用した焼酎造りにチャレンジする造り手も出て来た。
常識にとらわれず、柔軟な姿勢で焼酎造りに取り組んできた国分酒造だからこそ生まれた香味。 国分酒造では再現性を求めるのが難しい熟成芋での造りを深堀りし、更に追求を続けている。
<香味特徴>
ライチやマスカットのような豊かな果実様の香りが特徴。
お料理は
芋麹のすっきり感、 老麹・黒麹の濃い味わい、 熟成芋の果実香 にマッチした麹仕込みの前菜を手配して頂きました。 感謝!・スーパー乳酸菌すぐき漬の一口寿司 ・ホタテひもの粕漬け
・菜の花の塩麹漬 ・さんま糠漬焼き
・いぶりがっこ ・豚バラ味噌漬焼き
・スモークチーズぽたぽた焼き
麹の発酵による、爽やかな酸や旨味のコク、スモークの香り、焼酎とのハーモニーをどうぞ!
お楽しみ頂けましたか?
付記: 料理は上記以外にもカツオの刺身、レンコンのフライ、つけ揚げ追加あり、それぞれの量は少ないが、品数豊富の美味しい料理が堪能できた。
by ヨ~そろり

