社長の独り言

資産運用コンサルタントの社長日記です

国産旅客機

2007-06-20 07:17:02 | 日常
三菱重工業が手がける国産初のジェット旅客機
「MRJ(ミツビシ・リージョナル・ジェット)」の開発プロジェクトが
正念場を迎えている。

エアショー出展予定の客席模型。薄型シートを開発し、
他社機に比べて座席空間を広げた
 三菱重工は6月18日にパリで開幕する国際航空ショー(エアショー)に
MRJの客席の実物大模型を出展する。世界の航空関連メーカーが
技術や製品をアピールするエアショーで、
MRJに対するエアライン各社の反応を探り、
今年度末をメドに事業化の可否を決定する。
エアショーでの評価いかんによってはプロジェクトを中止する可能性もある。

 国産プロペラ機「YS-11」が昨年秋に引退したことで、
「日の丸ジェット」の実現は官民を挙げた悲願となっている。
航空畑出身の西岡喬・三菱重工会長がこの4月、
「2期4年」という在任期間の不文律を破って留任したことにも、
MRJに対する同社の強い思い入れがにじむ。
ただ、MRJの開発費は約1200億円にも上り、
350~400機が売れなければ元が取れないと予測されるだけに、
事業化の決断は慎重にならざるを得ない。

 三菱重工のある首脳は「事業化には3つの大きな課題がある」と打ち明ける。
その3つの課題とは「国内での数十機から100機程度の先行受注の確保」
「機体保険料の負担削減」と「国による支援獲得」。
これらは航空機の新規開発にほぼ共通する課題だが、
三菱重工にとっては、中でも先行受注の確保が頭の痛い問題となっている。

 航空機の開発には莫大な開発費がかかるため、
メーカーは完成前にエアライン各社からある程度の注文を取る。
日本航空機開発協会によると、MRJクラス(70~90席程度)の
中・小型機の新規需要は、2026年には世界で4899機に拡大するという。
三菱重工としては、まず国内販売で信頼を勝ち取り、
その追い風に乗りたいところだが、肝心の日本の市場環境は厳しい。

東京・羽田空港では2010年に新滑走路の供用が開始され、
発着枠が拡大される見通し。これに伴い、小型機を使う地方路線の需要が
増加すると見られているが、MRJの就航予定は2012年で、
“特需”に間に合わない。中・小型機の世界市場でシェアを分け合う
カナダのボンバルディアと、ブラジルのエンブラエルは、
既に日本のエアラインへの売り込みを強化している。
今年2月には日本航空傘下のジェイエアがエンブラエルの
小型機15機(オプション5機を含む)の導入を決めた。

機材集約の流れも逆風に
 国内のエアライン各社が進める機材集約も逆風になる。
エアライン各社は使う機材をできるだけ絞り込み、
整備やパイロット養成のコストを削減しようとしているため、
MRJの新規導入に二の足を踏むケースが増えると予想される。

 そもそも地方路線を抱えるエアラインには、
MRJを大量購入するだけの資金力がない。
三菱重工が最大の顧客と想定してきた日本航空の業績も振るわない。
ある大手商社の幹部は「国内のエアラインだけで、
年度内に数十機の予約注文を確保するのは困難」と分析する。

 MRJの事業化には、開発費以外にも生産体制の整備などに
2000億円近いカネがかかると言われる。強い逆風が吹きつける中、
三菱重工はそれでも事業化への意欲をエアライン各社に
示し続けなければならない。

かつては、航空産業が発展していた日本だが、
第二次大戦の敗戦を契機に、航空業界は
戦勝国により開発を禁止されました。
当時の技術者は、自動車業界や鉄道業界に
転進し、輝かしい開発を行い
世界に高い技術力を示してきました。

戦後60年を経て、国産ジェット旅客機のプロジェクトは
官民挙げての悲願です。
日本の高い技術力があれば、開発には問題がありません。
実際、ボーイング社やエアバス社の新型旅客機の
主要部品は日本のメーカーが製造しています。
問題なのは、販売のところです。
上記の様な難しい問題がありますが、
これを乗り越え、実現化することに
期待をしたいです。

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