社長の独り言

資産運用コンサルタントの社長日記です

宋文洲さんのコラム

2007-09-30 10:15:49 | 日常
そ宋文洲さんのメルマガからコラムを紹介します。

1、美しい言葉が偽善に聞こえる瞬間

                

ここ数年、言葉のファッションが流行しました。

「○○の品格」が売れると急に品格を気にしたことがない人まで「××の品格」
を語りだします。そんな中、相撲業界ではモンゴルの若者の品格が問われまし
た。理由は怪我の静養中にサッカーをしたことでした。彼はサッカーではなく、
馬や牛に水をやればよかったでしょう。

朝青龍のために弁解するつもりはありません。彼はもっとファンサービスに力
を入れるべきでした。しかし、業界を挙げて「品格のない」モンゴルの若者を
厳しく糾弾している中、日本の若者の悲惨な死が隠蔽され続けていたのです。
親方主導の集団リンチが行われたのはカルト宗教の説教部屋ではなく、「品格」
の塊の相撲部屋でした。

「品格」を信じきった少年が死の直前に味わった絶望感を思うと、胸が痛みま
す。彼はその「品格」の権威の重圧下で警察に通報するという最低限の自衛策
も思い付かなかったでしょう。

企業経営にもよく見られる現象ですが、自信を失いかける内向きの組織では高
尚な言葉が多く使われる傾向があります。しかし、その言葉と実態の矛盾が必
ず大きくなり、かえって人々の不信感を増幅させます。その瞬間、美しい言葉
が偽善に聞こえてきます。