社長の独り言

資産運用コンサルタントの社長日記です

パール判事

2007-08-16 08:58:37 | 日常
日本の戦争責任を問い、A級戦犯を裁いた極東国際軍事裁判、
いわゆる東京裁判。
連合国を中心とした11カ国から派遣された判事団の多数意見により、
25人が有罪とされ、東条英機元首相をはじめとする7人が死刑となった。
そんな中、多数意見よりも長い反対意見を書き、
「被告全員無罪」を主張した裁判官が、インドのパール判事である。
東京裁判から60年以上たった今も、国内では東京裁判をめぐる
議論が続いているが、パール判事が出した「全員無罪」についても、
日本の戦争を正当化するものだなど様々な解釈がなされてきた。

こうした中から、これまで語られることのなかった、
知られざるパール判事の実像やその思想、
そして「全員無罪」に至る背景が明らかになった。
絶対的な平和主義者、頑固なまでに正義と法を守るパール判事。
その真実を明らかにする。

NHKの特集番組ですが、「東京裁判」の知られざる一面を
見ることが出来ました。
戦争犯罪人を裁く国際裁判としての「東京裁判」
確かに日本を戦争に駆り立てた当時の指導者に、
責任があるのは当然です。
番組の中では、その起訴事実に新しい解釈が後で
付け加えられたことが明らかにされます。
それは「侵略戦争は国際法では違法」というものです。
多くの判事が、これに異議を言わなかったのに対し、
パール判事だけは異議を唱えました。
つまり、この戦争が起こる前には存在しなかった
法律で裁判をすることは間違っているという理由です。

第二次世界大戦以前の世界では、欧米諸国は
武力侵略により多くの国を植民地化していきました。
東南アジアにおいても、フランス、オランダ、イギリス
等が代表的です。
インド出身のパール判事」も、その時代に生まれ
育ちました。
その当時のインドの絶対的主導者ガンジーです。
ガンジーの教えは
「武力に対する非暴力の絶対的抵抗」でした。
つまり、非武力による平和というものです。

「東京裁判」においての戦勝国による裁判。
その戦勝国に対しても、パール判事は厳しい
意見を判決文で述べています。
非戦闘員(一般国民)に対する無差別殺戮
原爆投下、について厳しい非難をしています。

パール判事の全員無罪という判決の根底にあるもの。
それは「非暴力による平和」という理念です。
戦争には勝つも負けるもありません。
「暴力を持って戦うものは全て同じ罪である。」
ガンジーの教えを絶対とする平和主義の考えだと思います。
「非暴力による抵抗」
これほど勇気を必要とするものはありません。