プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

教育基本法特別委員会と「日本会議」

2006-07-09 19:07:04 | 政治経済
さきの国会では、与党の教育基本法「改正」案と民主党案の審議が開始されましたが、まるで「『日本会議』にハイジャックされた」(子どもと教科書全国ネット21・俵義文事務局長)ようでした。テレビ中継の入らない質疑で、自民党議員が“天皇に命をささげよ”と教え込む戦前の「教育勅語」を礼賛すれば、民主党議員がその「現代語訳」を議場で配る。別の民主党議員は「国体の護持」を取り上げる・・・。 教育基本法の改悪をめざす勢力が政府・自民党と民主党に分かれてエールを交換し合っているのです。彼らの背後には「日本会議」という団体があります。

「教育基本法に関する特別委員会」の委員数は45人。そのうち18人が「日本会議」関連の二つの議員連盟のいずれかに参加しています(「赤旗日曜版06・7・9号)。二つの議連とは「日本会議国会議員懇談会」と「教育基本法改正促進委員会」です。特別委員会の委員の4割が「日本会議」の息のかかった議員で占められていました。「改正」案の答弁に立った小阪憲次文科相、安倍官房長官も「日本会議国会議員懇談会」のメンバーです。

「日本会議」は、1997年、学者・知識人などでつくる「日本を守る国民会議」と宗教団体でつくる「日本を守る会」が合流して設立されました。構造改革で社会の格差が広がり家族の崩壊や犯罪が増加する中、道徳や家族を強調する復古的立場から社会統合の再建を目指す改憲右翼団体です。

「日本会議」は政府の教育基本法「改正」案に対しさらに(1)「愛国心」の明記(2)「宗教的情操」の涵養の明記(3)「不当な支配に服することなく」の削除―の三点の修正を求めています。この要望をすべて満たしているのが民主党案です。
民主党案(日本国教育基本法案)は前文で「日本を愛する心を涵養(かんよう)」することを明確に掲げています。政府案は第2条で「我が国と郷土を愛する」態度を盛り込んでいます。
さらに、民主党案は教育行政の条項で、現行法10条にある「教育は、不当な支配に服することなく」の文言を直截に削除しました(政府案はこの文言は残した)。文言の多少の違いはありますが、教育内容に対する国家的介入を無制限にする点で政府案と同じです。
また宗教教育について、民主党案は「宗教的感性の涵養」を盛り込み、政府案以上に踏み込んでいます。

「日本会議」は機関紙「日本の息吹」(06年特別号)で、「民主党の『日本国教育基本法案』には、『愛国心』や『宗教的感性』の涵養などの内容が明記してあり、今後は、臨時国会以降の審議の中でこれらの法案を参考に政府案がよりよい内容に修正されるよう…」と述べています。自民・民主の「共同修正」によって教育基本法改悪の実現を狙うことをあからさまに語ったものです。

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