プロメテウスの政治経済コラム

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事務所費疑惑 塩崎官房長官にも 「赤旗」はなぜスクープを連発できるのか

2007-07-21 18:51:43 | 政治経済
「事務所費」疑惑など相次ぐ閣僚や自民、民主にまたがる「政治とカネ」問題。地方政治をみても、公明党区議団が政務調査費の不正使用で全員辞職に追い込まれる(東京・目黒区)などカネによる政治の歪み・不正・腐敗は目にあまるものがある。さすがに今度の参院選で「投票先を決めるとき『政治とカネ』の問題を『重視する』が68%」となった(「朝日」7月16日)。

こんどは、塩崎官房長官の疑惑を「しんぶん赤旗 日曜版」の編集部がスクープした(7月22日号)。「赤旗」には、メディアも認める実績がある。「しんぶん赤旗」にスクープ大賞―「(『事務所費』問題は)年明けに『しんぶん赤旗』が松岡や伊吹文明文科相、中川昭一政調会長らの不正を報じて火がついた。…共産党の調査能力ってたいしたもんだね」(『ダカーポ』七月四日号)「与野党幹部のお屠蘇(とそ)気分を完全に吹き飛ばしたのは、(一月)三日の共産党機関紙『しんぶん赤旗』のトップ記事だ」(『フォーサイト』二月号)、「その後の各紙の様々な報道は言ってみれば『赤旗』の後追いに過ぎない」(『週刊現代』二月三日号) 。

塩崎氏は、愛媛県庁から約300メートルのところの6階建てビルの2階に自らが支部長の「自民党愛媛県第一選挙区支部」「塩崎恭久後援会」を置いている。両団体は塩崎氏の地元事務所に同居するかたちである。地元事務所のビルを所有する「今日社」(東京都港区)は、塩崎氏の両親が経営するファミリー企業。同社担当者は「自民党愛媛県第一選挙区支部と塩崎恭久後援会から月10万円ずつもらっています。年間120万円ずつです」と証言。年間家賃は両団体あわせて240万円であることを明らかにした。両団体の政治資金報告書によると、2005年の事務所費は「支部」が約580万円、「後援会」が約1530万円で合計約2100万円。一方、政党助成金を受け取る政党支部の「政党交付金使途等報告書」によれば、政党支部の電話代、リース料、自動車保険料などは約530万円となっている後援会は同一事務所であるから、家賃を240万円としても両事務所費経費は約770万円。2100万円との差約1330万円は何に使ったのか。「日曜版」の編集部が塩崎事務所に領収書を公開して説明すべきではないかと質問したところ、「法に従って適正に報告しております」という松岡元農水相や赤城農水相らとまったく同じ返事だった(「しんぶん赤旗 日曜版」7月22日号)。

一政党の機関紙であり、日本記者クラブにも加盟していない赤旗が、なぜ他紙が後追いせざるをえないようなスクープを連発できるのか。奥原「赤旗」編集局長は、「冷蔵庫の消費電力虚偽表示のスクープが大きかったと思います。 きっかけは、『赤旗』編集局に送られてきた埼玉県の市民からのメールだった」と語る。編集局社会部の栗田敏夫部長は、「この問題は、一般紙が完全に黙殺していたのに、『赤旗』の報道で行政が動き、行政が発表するとメディアも報道するということになったのです」(My News Japan伊勢一郎記者)。
『赤旗』日曜版取材チームが05年から追い続けた偽装請負問題は、2006年7月末に朝日がキャンペーンを張ったことで一躍、社会問題になった。朝日が大所高所に立った社会学的視点なのに対し、赤旗のルポは、労働現場にとどまらず一人一人の生活事情までを丹念にすくいあげ、困窮する労働者に寄り添うことで、読む者に偽装請負の実態が染み入ってくる(伊勢記者 同上)。

事業収入に匹敵する広告収入を得ている一般紙では、広告主となる大企業の問題点を告発するのは容易ではない。キヤノンの偽装請負キャンペーンを張った朝日新聞に対して、キヤノンは2006年10月末以来、広告の出稿量を減らし、朝日が共催する美術展への協賛を開催直前に下りるという露骨な報復に出ている。『赤旗』は大企業の広告は一切載せないという方針なので、全く遠慮がいらない(伊勢記者 同上)。
企業・団体献金も政党助成金も受け取らない、首尾一貫した労働者階級の党、一般大衆の党の機関紙だから、粘り強い取材活動ができ、国民の信頼に支えられ、「赤旗」はスクープを連発できるのだ。
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