江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

ビジョンがない、政策がない

2009年06月19日 | 環境
「クローズアップ現代」(NHK)は、国谷キャスターの問題意識に共感するところが多く、構成や進め方にも感心しながら、週に何度か見る番組です。

先日はCO2削減の国際交渉に日本がどう臨むべきかを取り上げていました。
政府が2020年までの日本の温室効果ガス削減目標(中期目標)を「05年比15%減」と決めたことに、国内には賛否両論ありますが、国際社会での日本の役割に目を向けた内容だったと思います。

ゲストの蟹江憲史氏(東京工業大学准教授)は、中国など発展途上国と先進国の間の議論をどう埋めるか、そこで日本の果たす役割が大きいことを述べていました。
彼は、日本には技術と資金がある、国際交渉でこの2つは大きな力を発揮する、本来なら日本が交渉をリードできるのに、日本にはビジョンがない、政策がないと嘆いておられました。

私はこれは政府だけの責任ではないと思っています。
家計負担が増えるなどという一部メディアや経済界のネガティブ・キャンペーンによって削減目標を低くする国民世論が形成されました。

地球が悲鳴を上げているとき、自分の目先の損得で国民を思考停止に導いているようでは、ビジョンが出てくるはずがありません。
2050年までに「90年比50%削減」という世界の長期目標が既にあるのだから、「日本の技術で地球を救おう」という議論になぜ向かっていけないのか、残念でなりません。

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