江花和郎@ブログ

2005~2011年連合新潟会長を務める間書いたブログをその後も時々更新しています。

分配

2008年03月12日 | 労働・経済
自動車・電機の大手組合に回答が出ました。
「昨年並み」ですが、日産は昨年より300円、日立も昨年より200円高い回答となっています。
トヨタは昨年と同じ1000円と報道されますが、賃金体系で上がる分を含めれば実は7900円ですし、一時金は組合員平均年間253万円の満額回答です。

労働分配率は、大企業で下がっていて、全体の分配率を上げるつもりなら大企業の労働分配率を上げるのが一番効果的です。
いや、大企業の賃金を大幅に上げろと言っているのではありません。
計算式の分母を小さくすれば分配率は上がります。
分母は付加価値額ですから、大企業の付加価値を小さくすれば、日本の労働分配率は上がるのです。

大企業の付加価値は下請けや関連の中小企業が作り出した付加価値を吸い上げて大きくなっているのですから、これを戻してやればいいのです。
そうなれば中小・地方に回ってきますから、そこの労働者の賃金も上がり、格差も縮まります。

日本全体の付加価値の配分構造を変えることが必要で、それが「春闘」の社会的な役割だと思います。

数兆円の営業利益を上げるトップ企業の労使が自社の賃金引上げの他に、下へ回す原資を話し合うようにならないかなあと願っています。

これから地方・中小の交渉は山場を迎えます。
上から分捕ってくるぐらいの勢いで、頑張りましょう。

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