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「理想的な淡水水槽」 13.2.2. 藻やコケの抑制 2/2


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

13.2.2. 藻やコケの抑制 2/2



※藻やコケの抑制 1/2より続く


水槽内に藍藻と呼ばれる泥のような藻が見られた場合、その水槽の水質は一時的に不安定な状態になっている。藍藻は、特に水槽設置直後の十分にろ過が効いていない状態の時に発生しやすい。藍藻の除去は一般的なろ過器では不可能であり、硫酸銅などの殺藻剤を用いるより他はない。殺藻剤を使用してから4日ないし5日のうちに藍藻は衰退していくだろう。この投薬期間に活性炭や合成樹脂などによるろ過を行う必要はなく、通常使用しているろ過器を稼動させていれば十分である。そして投薬と同時に、常に藍藻を手で水槽から取り除き続けることが重要である。これを怠ると、成長が非常に速い藍藻は他の水草との生存競争にことごとく勝ち、これらの植物を数日のうちに覆い隠してしまうのである。

糸状藻や毛皮状藻が含まれる緑藻類は、我々が藻やコケの抑制のために講じる「生物学的予防法」に耐えて水槽内に発生する。しかし他の水草や装飾品などに付着した緑藻は、手や道具を使い機械的に取り除くことが可能である。

水槽内で成長する藻には、その他にヒゲ状藻やハケ状藻などが属する紅藻類がある。紅藻類は健康を損なった水草や、水槽内で本来の機能を果たしていない装飾品の表面にのみ見られる。

一方、上で述べた糸状藻は、生物学的バランスのとれた水槽でのみ繁茂するため、糸状藻の成長は良い水質が維持できているかどうかの指標となる。糸状藻の旺盛な繁殖力は、Poecilia sphenops(ブラックモーリー)を水槽に投入することで容易に抑制できる。

この生物による除去法は、様々な種類の藻に有効である(11.1.2. 藻やコケを食べる魚参照)。たとえばFarlowella acus(ファロエラ・アクス)は、ハケ状藻を常に食べ続け、その繁茂を妨げる。

これまで述べてきた藻やコケの成長を抑制するためのあらゆる努力が役に立たない時には、水槽に化学成分を含む殺藻剤を投入することになる。しかし殺藻剤を用いて、水槽内の水草にまったく影響を与えずに藻やコケを完全に除去することは非常に困難である。これについては10.7.6. 藻やコケに対する「非常ブレーキ」を参照してほしい。


緑藻の一種であるCladophora aegagrophila(マリモ)の顕微鏡写真




既に繁茂した藻やコケを取り除くには手間がかかる。
最も効果的な対策は予防と早期発見である。






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