季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

夜景

2013年12月17日 | その他
高層ビルの上は夜景スポットとして人気らしい。

お世辞にも美しい都市とは言えない東京も、夜景になれば地上の星というわけだろうか。

ただ僕にはちょいと明かりが多すぎるね。

時々伊豆スカイラインを通り、そこから三島の夜景を見る。ここの夜景くらいなら綺麗だと思う。

神奈川県の伊勢原辺りにも夜景スポットがあったように記憶する。夜景スポットというよりデートスポットかな、多分。

僕はそうした気の利いた青年時代を持たなかったからね。勉強一筋だったのだよ、なんて言っても自分でも信じないからね、人を信じさせることは無理である。

やっかみはともかく、遠い光は若い人をロマンチック(ロマンティックじゃないぞ)にするのは確からしい。

眼下にチラチラと瞬く灯は、僕にとっては子供の頃の空想を思い出す導火線だ。そしてひどく心細い心地がする。

その空想というのは、自分が生れ落ちたその時をはるか上空から鳥瞰することだった。世界中至る所に赤ン坊の泣き声がし、僕もその中のひとりである。

それはまだ僕ではない。それなのにある日ふと気付くと、あの沢山の赤ン坊の中の1人が僕であった。一体いつから僕になったのだ?なぜその赤ン坊は僕にならなければいけなかったのか?と考えて、怒りに似た感情に駆られたものだ。

伊豆スカイラインの真っ暗闇で車を停めて暫し三島(多分ね)の夜景を眺めると、その時の気分が蘇る。ロマンチックとは縁がなさそうである。

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