謎の日常

 「観光」に”感動”などといった余計な”感情”は必要ない・・・
 ただ”事を終わらす”とだけ考えれば良い・・・

a suspicious person2(不審者2)(東京:日本)

2010-05-29 20:49:22 | Gという名の職業
日本


2010.05.29(土)


 それは朝の巡回時だった・・・

 24時間勤務の後段、この日は早寝で夜9時就寝、朝(夜?)1時起床という人間の体のリズムを全く無視した時間帯で寝ていたので7時ともなると実に眠い、そんな時、ゲストスペースの点検を行なっていた私に無線が入ったのだ。

 「本部よりデュークさん、取れますか?どうぞ」

 『こちらデューク、感度良好です、続けて・・・』

 「2階フロント前で暴力的な客が居ると連絡を受けてます、現場に急行してください・・・」

 『了解・・・』


 タイミングよく2階に居た私は取り急ぎフロントへ向かう、だがフロントを見ると誰も居ない、どこかに移動したようだとおもいまわりを見渡すと玄関前でなにやら人が数名居そうだ。私はさらに足取りを進め、玄関前に出る。アシマネ(アシスタント・マネージャー)を含むホテルのスタッフが数名、

 私を目にすると直ぐに

 「警察への通報は済みましたか?」

 と確認してくる。

 こちらは無線でいきなり呼ばれて現場へ急行したばかり、何が何やらまだ良く分かっていない。そこで本部へ連絡し警察への連絡も処置済みという事を確認しホテルのスタッフへ『手配済みですよ!』と答えて暴力的な客を探しに行く。

 警察への通報要請を直ぐ手配していたということは客は相当に性質が悪いらしい、こちらも腹をくくった方が良さそうだ。


そして暴力的な客とやらは・・・


・・・


 ・・・・・・


 あっ!地面にへたり込んでいる・・・



 そしてなにやらアシマネにくだを巻いている・・・


 『・・・』


 『・・・・・・』



 暴力的な客って・・・



 『ただの酔っ払いかいっ!』


 とはいえアシマネに何かあったらまずいので近くに行き、様子を見つつ色々と確認すると、どうやらホテル内のレストラン前で立ちションをしてつまみ出されたというのが本当の所らしい。

 
 『うーむ・・・』



 その酔客はひたすらアシマネに絡み続けているが、それはあくまでも口での事。これで明らかに暴力行為に及んでくれれば反撃のしようもあるが、こんな時の警備はとりあえず警察がくるまで残っているしかない。

 分かりやすく言えばただ近くで立っているだけの存在だ。

 さらにはっきりいえば『暇』である・・・

 朝眠いのに・・・

 
 現場で警察を待つこと5分。


 さらに警察が酔客を説得してタクシーにぶち込み、無理矢理御帰宅願わすまでさらに20分。


 その間は状況を伝える微妙な無線を本部に送りつつ、所在なさげにただ立ち尽くすだけであった・・・


 どうやらこのプロフェッショナル・・・


 2回目の不審者対応は・・・


 前回以上に何もしなかったようである・・・