デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

ある夜、クラブで

2006-01-22 10:53:00 | Weblog
先日、取引先と打ち合わせを兼ねた飲み会があり、二次会にクラブに誘われた。普段薄い財布と相談しながら、場末の半分行灯が切れた居酒屋にしか縁がないので喜んで同行した。クラブとはいっても田舎の事、銀座のクラブのようにフワフワした絨毯が敷かれているわけでもないし、飛び切りの美女がいるわけでもないが、酔いと照明と化粧で美しく見える女性に囲まれ楽しいひと時を過ごした。

 昨年の日本版プレイボーイ誌でビル・エヴァンスの特集をしていた。男の悲しい性(さが)で、グラビアページを丹念に捲り、エヴァンス特集を見たのは結局最後だった。(笑)このページでクリスチャン・ガイイ著の「ある夜、クラブで」という本が紹介されていた。装丁に「ワルツ・フォー・デビー」のジャケット写真を使っていて、ジャズファンなら思わず手に取りたい一冊。よくレコードやCDを中身度返しでジャケットに惹かれて買うのを「ジャケ買い」という。小生は本をよく装丁に惹かれて買うが、これを「想定外」という。先週は強制捜査が想定外の人がいましたね。

 内容はクラブでの出会いから始る大人の恋愛小説で、エヴァンスをモデルにしたような主人公が登場する。主人公の名がシモン・ナルディスにデビー、ジャズクラブのシーンではスコットというベーシストやポールというドラマーが出てくる。エヴァンス・ファンをにやりとさせる名が並ぶ。大人の恋をしている貴方、または疑似体験をしたい貴女にお薦めの一冊です。

 先日のクラブでは、小説のような出会いは当然なく、店内も混んできたので退散することにした。勘定を済ませた先方のために小生がドアを開けると、4、5人の若者が挨拶なしに入ってきた。無礼な輩がいたもんだ。自動ドア以外、自分でドアを開けなくて済むのは銀座のクラブと、刑務所の中だけだ。どちらも入ったことはないが・・・念のため。
コメント (8)
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