dhueu

feuheufu

【栗栖准教授のMBA進化論】第10話「成果主義の功罪」(1)

2015-03-10 14:30:20 | 日記
「成果主義でモチベーションが下がる、と思うかたは窓側へ!」。会場は大手町のビルにある会議室。部下の評価に悩んだ久遠課長は、引継ぎメモに書かれていた勉強会に申し込んでみることにした(前回を参照)。事務局からはあっさり参加了承のメールが来た。そもそもこの団体、どういう人が運営しているんだろう。無料って書いてあるけど「タダほど高いものはない」からな…

■土曜なのに勉強会に集まる人

平日はグレーのサラリーマンで賑わう大手町も土曜日はさすがに閑散としている。丸の内のように華やかなショップがあるわけでもないのに、わざわざ勉強のために集まるのはどういう人たちなんだろうか。
会議室に着くと既に参加者らしき人々がいる。お互いに知り合いではないようで言葉は少ない。とりあえず椅子に座ろうとしたときに、背後から声がかかった。

「成果主義でモチベーションは下がる、と思うかたは窓側へお座りくださ~い」
軽やかな口ぶりだが、言っている内容はシビアだ。あれは、栗栖じゃないか!何でここにいるんだ。

久遠「お前、何やってるの」
栗栖「待ってたぞ。この勉強会の事務局を担当してるんだよ。今日はモデレータだよ」

栗栖が言うには、勉強会は色々なところで開かれており、テーマも、ビジネスやIT、法律から、留学や資格取得を目指すもの、学生向けの就活関連もあるらしい。俺の時代にもこんな就活勉強会があったらな。怪しいのもあるが、悩みを共有したり、人脈を広げたり、結構役に立つものだそうだ。

この勉強会はビジネスパーソンと研究者が運営している。栗栖にスタッフを紹介してもらったが、彼らの会社は誰もが聞いたことのある名前だ。別に勉強会など開く必要はないと思うが、意外なものだ。

■ディベートで問題を浮かび上がらせる

「時間になりました。みなさん、お休みの土曜日のなかお越しいただきありがとうございます!」栗栖がプレゼンを始めた。最初にケースの説明から入る。ケースというのはMBA用語らしく、議論をするための土台、参加者が共有するストーリーのことだそうだ。

質疑のあと、成果主義でモチベーションが「下がる」と「下がらない」グループ分かれてディスカッションすることになった。ディベート形式で、下がる派と下がらない派でそれぞれ3つの理由を述べて競い合う。
成果主義とモチベーションが、多数決で決まるような話ではないと思うが、ディベートすることでその問題を浮かび上がらせるのが狙いだそうだ。

グループは知らない人ばかりだが、名刺交換をしたあと、ディスカッションが始まった。
どうやって話を切り出すものか、自分の意見をどう言ったものか、と思っていたが、グループのうちの1人が話をリードくれたので、だんだんとメンバーの議論が活発になり始めた。こういうところでもリーダーシップというものが発揮されるものだ…


  • 1

  • 2

  • 次のページ→