ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『わたしを離さないで』

2011-02-02 10:26:43 | 新作映画
(英題:NEVER LET ME GO)

※この映画はネタバレを避けた方が楽しめます。



----この映画の原作って、カズオ・イシグロニャんだって。
映画では『日の名残り』が有名だよね。
「うん。
あれは監督がジェームズ・アイヴォリーということもあって、
端正で抑制のきいた映画だった。
これも、そういう、どちらかというと
アート系の映画化と身構えていたんだけど…」

----違ったわけ?
「うん。
近年、こんなに驚いた映画もないね。
主演は『17歳の肖像』でアカデミー主演女優賞候補にもなったキャリー・マリガン
物語は、彼女の目線で進んでゆく。
田園地帯にひっそりとたたずむ寄宿舎学校。
そこで育つ少年少女たち。
ごく普通の子供たちに見えるのに、どこかが違う。
外科医から完全に隔離され、
ある一定の地域から足を踏み出すことが許されない。
新任の女教師は
彼女らが未来を自分の意思で選ぶことが許されないと嘆く」

----ニャんだか、ミステリアス。
「そうなんだ。
映像は抒情的であり、ときに牧歌的でもあるのに、
不穏な空気がスクリーンを支配する。
だけど、その違和感こそがこの映画最大の特徴であり魅力なんだ。
子供たちというものは、
もとより、大人の世界とは別の枠組み生きている。
だから、語り手の目線によっては
この違和感が単なるヒロインの感受性ともとれるし、
そんな秘密など、彼女らが作った妄想ではないかと…」




----でも、そうじゃなかったんだね。
「うん。
実は、それは早くも
映画の冒頭で、はっきりと語られる。
この映画の背景、それは
“ある医学的発見により、
人間の生命が飛躍的に伸びた世界”。
つまり、実はこの映画がSFであるということなんだね。
でも、それ以外は、普通に社会は回っているわけだから、
ぼくらが見聞きしている世界と、そう大差はないわけだ。
しかも巧いのは、
この映画の舞台を50年代から60年代としていること。
ある種の郷愁を漂わせているんだね。
そしてそれが映画の内容にも濃く関わってくる。
少年少女期特有の友情や初恋、
そして自分では避けることができない“限りある命”に対しての、
どうしようもない悲しみ……。
ぼくは、タイムトラベルを
時代色豊かな空気の中に描き、
愛と避けられぬ別れの運命を描いた、
あの『ある日どこかで』を思い出したよ」





(byえいwithフォーン)

フォーンの一言「この映画、役者がすごいニャ」
身を乗り出す
キーラ・ナイトレイ、アンドリュー・ガーフィールド、それにシャーロット・ランプリングをも出ている度




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2 コメント

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あり得ないのに (rose_chocolat)
2011-02-02 23:11:43
それが常識っていうところが、空恐ろしいはずなのに、
何故だかロマンチックにすら感じさせる作風で、
それがまた背筋が寒くなります。
これはネタばれ厳禁ですね。
原作にはかなり忠実だったと思いました。

『ある日どこかで』、確かに共通点と言えばそうですね。
避けられない運命だけど基本的にSFってところでしょうか。
■rose_chocolatさん (えい)
2011-02-03 23:01:13
>何故だかロマンチックにすら感じさせる作風で、
それがまた背筋が寒くなります。

そうなんです。
この映画は、実に怖い。
でも、描き方はリリカル。
こういう方法論もあったのかと、
感心しました。

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