(原題:BLOOD DIAMOND)
----あっ、ディカプリオだ。
確かゴールデン・グローブの主演男優賞部門で
『ディパーテッド』とWノミネートされたんだよね。
「そう。またまた逃してしまったけどね。
この映画を観る限り、かなりいいところまで行ってるんだけどな」
----『ブラッド・ダイヤモンド』って
タイトルだけ聞くと、
イメージが沸きにくいけど?
「でしょ。
一見、アクション映画風。
実は現在進行中の大きな社会問題が背景にある骨太な作品なんだ」
----えっ、社会派の映画なの?
「監督が『グローリー』『ラスト サムライ』のエドワード・ズウィック。
彼は、それまであまり取り上げられなかった歴史の裏側、
あるいはタブーとされた社会問題などを
スケールたっぷりのエンターテイメントに仕上げることを得意としている。
今回彼がスポットを当てたのは、
内戦下の国におけるダイヤモンド産出の問題。
映画の舞台となるのはアフリカのシエラレオネ共和国。
反政府軍RUFは、その活動資金を得るべく
村を襲撃して働けそうな男たちを狩り集め、
ダイヤモンド採掘の強制労働に就かせる。
漁師ソロモン(ジャイモン・フンスー)もその中の一人。
彼はダイヤモンド採掘中に偶然発見した
巨大なピンク・ダイヤモンドを地面に埋めて隠す。
そこに、このダイヤを探し出そうとする死の商人ダニー・アーチャー(ディカプリオ)、
そしてその密売の構図を暴こうとする
女性ジャーナリスト、マディー(ジェニファー・コネリー)が絡むと言うお話だ」
----でも、それだけじゃ冒険的要素が強すぎない?
「鋭いなあ(笑)。さて一方で、RUFはまだ年端も行かない子供たちを誘拐。
血縁を否定し、敵を殺すように洗脳。
つまり自分たちのイデオロギーを徹底的に植え付けるわけだ。
そんなことになっているとは知るよしもないソロモンは
誘拐された息子を奪還しようと行動。
ダニーとマディーもそれぞれの目的のために
ソロモンを手伝う…
要約するとこういうストーリーだ」
----とんでもないお話だね。
映画としてはオモシロいけど、
それが事実だとしたら観ているのが辛くなりそうだ。
「うん。
そこがエドワード・ズウィック監督をどう評価するかの分かれ目だろうね。
俳優たちの演技は申し分なし。
ディカプリオの役は冷酷かつしたたかな元傭兵。
典型的なアンチヒーローだ。
それゆえに、彼の言動をどこまで信用していいのか----
自らの顔の皺まで計算した、微妙な表情の変化によって
最後まで観る者の心を翻弄する。
さらに注目したいのがジャイモン・フンスー。
息子を取り戻そうとするソロモンの慟哭の叫び。
まさに役に乗り移っているかのようだ。
彼が賞レースに名乗りを上げていないのは少し不思議だね。
ジェニファー・コネリーも、
自立した大人の女性を演じ、
かつての美少女イメージを払拭している。
もちろん『レクイエム・フォー・ドリーム』は別としてだけど…」
----少年兵と言えば『イノセント・ボイス 12歳の戦場』を思い出すけど…。
「そうそう。『イノセント・ボイス』では
ジェニファー・コネリーがスポークスマンを務めている。
今回の映画には、彼女自身
相当に思い入れが強かったんじゃないかな」
----演技以外はどうニャの?
「雄大かつエキゾチックなアフリカ・ロケ。
そしてその中で描かれる壮絶な市街戦、ヘリからのゲリラ一掃射撃など、
映画としての見応えは十分。
また映像を支えるジェイムズ・ニュートン・ハワードの音楽も
風格たっぷりで申し分ない。
でもその一方では、少年による銃殺や
車上から銃弾を浴びて射殺される子供たちと言った
目を覆いたくなるようなシーンが続出。
くどいようだけどエンタメとしての完成度が高いあまり、
かえってテーマ性が薄らぐ結果を引き起こしている…
これがエドワード・ズウィック監督のウイークポイントかも」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ダイヤを買うときは紛争ダイヤではないか、しっかり確かめるのニャ」
※ディカプリオの人気再燃間違いない度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はアメリカ・オフィシャルの壁紙です。
----あっ、ディカプリオだ。
確かゴールデン・グローブの主演男優賞部門で
『ディパーテッド』とWノミネートされたんだよね。
「そう。またまた逃してしまったけどね。
この映画を観る限り、かなりいいところまで行ってるんだけどな」
----『ブラッド・ダイヤモンド』って
タイトルだけ聞くと、
イメージが沸きにくいけど?
「でしょ。
一見、アクション映画風。
実は現在進行中の大きな社会問題が背景にある骨太な作品なんだ」
----えっ、社会派の映画なの?
「監督が『グローリー』『ラスト サムライ』のエドワード・ズウィック。
彼は、それまであまり取り上げられなかった歴史の裏側、
あるいはタブーとされた社会問題などを
スケールたっぷりのエンターテイメントに仕上げることを得意としている。
今回彼がスポットを当てたのは、
内戦下の国におけるダイヤモンド産出の問題。
映画の舞台となるのはアフリカのシエラレオネ共和国。
反政府軍RUFは、その活動資金を得るべく
村を襲撃して働けそうな男たちを狩り集め、
ダイヤモンド採掘の強制労働に就かせる。
漁師ソロモン(ジャイモン・フンスー)もその中の一人。
彼はダイヤモンド採掘中に偶然発見した
巨大なピンク・ダイヤモンドを地面に埋めて隠す。
そこに、このダイヤを探し出そうとする死の商人ダニー・アーチャー(ディカプリオ)、
そしてその密売の構図を暴こうとする
女性ジャーナリスト、マディー(ジェニファー・コネリー)が絡むと言うお話だ」
----でも、それだけじゃ冒険的要素が強すぎない?
「鋭いなあ(笑)。さて一方で、RUFはまだ年端も行かない子供たちを誘拐。
血縁を否定し、敵を殺すように洗脳。
つまり自分たちのイデオロギーを徹底的に植え付けるわけだ。
そんなことになっているとは知るよしもないソロモンは
誘拐された息子を奪還しようと行動。
ダニーとマディーもそれぞれの目的のために
ソロモンを手伝う…
要約するとこういうストーリーだ」
----とんでもないお話だね。
映画としてはオモシロいけど、
それが事実だとしたら観ているのが辛くなりそうだ。
「うん。
そこがエドワード・ズウィック監督をどう評価するかの分かれ目だろうね。
俳優たちの演技は申し分なし。
ディカプリオの役は冷酷かつしたたかな元傭兵。
典型的なアンチヒーローだ。
それゆえに、彼の言動をどこまで信用していいのか----
自らの顔の皺まで計算した、微妙な表情の変化によって
最後まで観る者の心を翻弄する。
さらに注目したいのがジャイモン・フンスー。
息子を取り戻そうとするソロモンの慟哭の叫び。
まさに役に乗り移っているかのようだ。
彼が賞レースに名乗りを上げていないのは少し不思議だね。
ジェニファー・コネリーも、
自立した大人の女性を演じ、
かつての美少女イメージを払拭している。
もちろん『レクイエム・フォー・ドリーム』は別としてだけど…」
----少年兵と言えば『イノセント・ボイス 12歳の戦場』を思い出すけど…。
「そうそう。『イノセント・ボイス』では
ジェニファー・コネリーがスポークスマンを務めている。
今回の映画には、彼女自身
相当に思い入れが強かったんじゃないかな」
----演技以外はどうニャの?
「雄大かつエキゾチックなアフリカ・ロケ。
そしてその中で描かれる壮絶な市街戦、ヘリからのゲリラ一掃射撃など、
映画としての見応えは十分。
また映像を支えるジェイムズ・ニュートン・ハワードの音楽も
風格たっぷりで申し分ない。
でもその一方では、少年による銃殺や
車上から銃弾を浴びて射殺される子供たちと言った
目を覆いたくなるようなシーンが続出。
くどいようだけどエンタメとしての完成度が高いあまり、
かえってテーマ性が薄らぐ結果を引き起こしている…
これがエドワード・ズウィック監督のウイークポイントかも」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「ダイヤを買うときは紛争ダイヤではないか、しっかり確かめるのニャ」
※ディカプリオの人気再燃間違いない度
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※画像はアメリカ・オフィシャルの壁紙です。
ジャイモン・フンスーは、『アミスタッド』の頃から注目して止まない俳優さんの一人なので。この作品も気になっていました。えいさんも注目という事ですから、当然の如く観たい作品の一つです。
ディカプリオの作品として考えても、『ディーパーテッド』よりコチラが気になります
ジャイモン・フンスーは、
『アイランド』のときに痺れました。
ディカプリオのファンには、
この『ブラッド・ダイヤモンド』の方が受けるかも…。
でも映画は『ディパーテッド』。
とにかくカッコいいです。
けれど、やっぱりアフリカの現実をアクションドンパチのダシにしていいのか?という疑問がよぎりました。
あの銃撃戦も起こりうる現実の一面てことでしょうか。
アクションドンパチ-----
そこですよね。
評価の分かれ目は……。
ここに描かれる内戦状況は
主義主張<私利私欲。
それがスペクタクルかつサスペンスフルな
ドラマとして提示される。
これが現実だとすれば
そんな描き方が許されるのか?
俳優の大熱演が目に焼き付くだけに、
よけいにそんなことが気になってしまいます。
みてきました。
ファンではないですけど
ディカプリオは確かにこちらの方が断然かっこ良かったように思いました
思っていたよりも興味深い内容でした。。。。
ディカプリオ、いわゆるピカレスクロマンでしたね。
ぼくもこの作品の方が、
彼のスター性が出ていたと思います。
今後もこの映画のように陰影のある役を
演じてほしいと思います。
アフリカの出来事は、あまりにも遠いことなのですが
もしかしたら
自分の手元の小さなアクセサリーが
人の幸せを犠牲にしたものだったとしたら。。
そう考えると、自分にも無関係ではないのですね。
「紛争ダイヤ」かどうか確かめることもできるのですね。
勉強になりました。
レオ様とジャイモンの演技はとても素晴らしかったと思います。
。。私は「ディパーテッド」よりもこちらのレオ様のほうが良かったです。
子供たちが銃を握る姿は、国は違えども
『シティ・オブ・ゴッド』を思い出しました。
エンタメ要素と社会派要素が上手く融合していて
大満足な作品でした。
レオ様・・・昔から素晴らしい俳優さんだと思って
いましたが、この作品でも魅せてくれたと思います。
ぼくは「紛争ダイヤ」については
まったく無知だったので、
この映画には驚きました。
自分の手にしているモノが
血塗られているのかと思うと
ゾッとしますよね。
そういうことを教えてくれるだけでも、
ハリウッドは変わってきているのかなと、
少し見直したりもしました。
ディカプリオは『ギルバート・グレイプ』の頃から、
すでに天才ぶりを発揮していましたが、
ここにきてその頃の勢いを取り戻してきた気がします。
しかし、最近、アフリカを舞台にした映画が多くなりましたね。
しかも『モガンボ』や『ハタリ!』の頃とは違って、
観光映画的に作られてはいないところがスゴいです。