ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『ゴーストライター』

2011-06-22 19:14:47 | 新作映画

(原題:The Ghost Writer)


----これは、観たときから
スゴク気にっていた映画だよね。
ロマン・ポランスキーだっけ?
「うん。
1960年代に大活躍していた監督たちは、
そのほとんどが鬼籍入りしちゃったけど、
彼は『水の中のナイフ』デビューしたのが20代。
ということで、まだまだ現役。
当初は、とんがったイメージもあったけど、
こういう歳の重ね方はいいよね。
円熟の言葉がピッタリ。
映画の楽しさがなんたるか知っている」

----映画の楽しさ?
それって、いろいろあるんじゃニャいの?
「もちろん。
でも、ぼくはこうとらえている。
映画館の外から一歩、扉を開けて中に入ると
そこは暗闇という一種<魔>の世界。
その中で、外界を忘れさせてくれる、
濃密な時間を過ごさせてくれること。
これは、簡単なようでいて難しい。
観る方の感情の流れをつかみながら、
それを途切れさせることなく
最後まで引っ張っていかなくてはならないわけだから…。
ぼくが、昨今のカーチェイスやガンアクションの映画を好きになれないのは、
その部分がきちんとできていないから。
ただ、派手に長く引っ張っていこうとする」

----分かった分かった。
それはいいから(笑)。
で、この映画は?
「物語は、
もともとベストセラーということだから、
そこを突っ込んでも仕方がない。
まあ、それでもあえてツッコミをするとしたら、
その物語を破たんなく見せているか?
この映画は、実はプロットは単純。
主人公は元英国首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆を依頼されたゴーストライター(ユアン・マクレガー』)。
ラングが滞在する真冬のアメリカ東海岸にある孤島で、
取材をしながら原稿を書きすすめるうちに、
彼は、ラング自身の過去に違和感を感じ始める。
そんな中、彼は国家を揺るがす陰謀の中へと巻き込まれていく。
つまり、ここにあるのは
ヒッチコック映画によく見られる巻き込まれ型サスペンス。
しかも、ここが憎い設定なんだけど、
主人公がライターという、
興味を抱くとそれを追求したくなるタイプだけに、
危険と感じながらもその核心へと近づこうとする」

----で、気づいたときにはもう遅い…。
「そういうことだね。
この映画、
だれも乗っていないクルマがフェリーに遺されているのが見つかるシーンから始まり、
続いて溺死体が打ち上げられているシーンへと写る。
一体これは何?
と、思っているうちに本筋が始まるんだけど、
そのクライマックスで、
実は主人公も同じ目に遭い、
過去の事件のいきさつが分かるという構図。
このシーンが実に巧い。
自分の命がヤバいと気付いた主人公が車で逃げようとする。
と、キャメラは、彼の背後から肩なめで写すんだ。
実際には、そこに追手がいるわけでもないのに、
すぐそこまで誰かが迫って来ているかのように見せる。
この見せないことで不安と恐怖を醸成するなんて技は、
やはり映画を知り尽くしているものじゃなくちゃできない。
ぼくは、このシーンだけでも観る価値があると思う」

----へぇ~っ。
ところで他に誰が出ているの?。
「元大統領の妻役としてオリヴィア・ウィリアムズ
彼女とゴーストライターの一夜の情事シーンもあるんだけど、
これがけっこう笑える。
あと、『SEX AND THE CITY セックス・アンド・ザ・シティ』で知られる
キム・キャトラルが元大統領の専属秘書。
彼女は大柄で肉感的」

----それは妻としてはハラハラだニャ。
「うん。
このあたりの生かし方、
言っちゃっていいのかな、
ミスリードも巧いと思うよ。
これはキャスティングの妙だね」




                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「大人の映画なのかニャ」小首ニャ
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7 コメント

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嬉しい! (rose_chocolat)
2011-06-23 05:25:05
これが日本公開になってほんとに嬉しいのです。
こんなスタイリッシュな映画、スルーされちゃったらもったいない。
もう1回観て、あの世界に酔いたいですね。 
最後なんて、そう言っちゃ気の毒なんですが本当におしゃれでした。
あ、ごめんなさい。 (rose_chocolat)
2011-06-23 05:26:42
タイトル編集してたら間違って2つ送っちゃいました。
1つ消しといて下さい^^ 最初に送った方です。
■rose_chocolatさん (えい)
2011-06-23 18:54:51
こんにちは。

あのラストは巧い。
本人を出さずに、結末を言う。
ポランスキーって、
あの頃より巧くなっているんじゃないかな。
世評高い、『チャイナタウン』よりも
楽しめました。
こんばんは (ノラネコ)
2011-09-03 23:15:51
ポランスキーの本格サスペンスは久しぶりでしたが、これはお見事ですね。
快調なテンポを保つ演出と良く考えられた物語の構造、ユーモアと遊び心のあるキャラクター。
好調な時のヒッチコックを思わせました。
ベテランならではの大人の映画ですね。
■ノラネコさん (えい)
2011-09-17 12:34:10
こんにちは。

ぼくは『チャイナタウン』よりこっちが好きですね。
そうなんです。これはヒッチコック映画の楽しさ。
それを思うと、
いま、ヒッチコックみたいに、
映画の楽しさを自分で作り出せる人が少なくなった気がします。
ジャンル・ムービーでなく
“ヒッチコック”ムービーというように、
作家の名前が冠されるようになったら
最高ですよね。
今年も (うめ)
2012-01-14 10:41:45
すっかりこちらにコメントする機会を逃していました・・・ごめんなさい。
昨年中もえいさんの映画紹介、読ませていただいてました。
今年もよろしくお願いします。

さて、これ、やっと観まして、とても面白かったです。
操っているのはor操られているのは、誰か・・・ということ以上に、
見せ方と流れる音楽がその世界を楽しませてくれる作品だったように思います。

わたしも、皆さんがおっしゃるラストが好きです・・・。
■うめさん (えい)
2012-01-16 22:17:31
あけましておめでとうございます。

今日、映画会社宣伝部とジャーナリスト合同の年賀の会で、
「16日までは旧暦で正月」とのあいさつがあったので、
まだ大丈夫ですよね(汗)。

ところで、その同じ日に
「キネ旬」ベスト10発表。
この作品が一位に輝いたのがとても嬉しいです。
まるでヒッチコック映画を観ているような映画の楽しみ…。
一年に何本かとまでは言いませんが
せめて一本はこういう映画が観たいです。

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