(原題:Quantum of Solace)
-----『慰めの報酬』?
あまり『007』らしからぬ名前だよね。
「うん。カタカナがまったく入らなかったのは
1985年の『007/美しき獲物たち』以来になるね。
それにしてもよく分からないタイトル。
原題の『Solace』は慰めの意味だけど、
『Quantum』は字幕で組織のルビが振られていた。
今後スペクターみたいになるのかなあ?」
----確か今回も主演はダニエル・クレイグだよね。
前作と似た感じなの?
「もう、これが似てるなんてモノじゃない。
なにせ、前作『007/カジノ・ロワイヤル』のエンディングの
まさに一時間後から物語が始まってるんだもの。
しかも、監督が『チョコレート』『ネバーランド』の
マーク・フォスターだけあって、
もっとボンドの内面に入り込んだ心理描写たっぷりの映画に仕上がっている」
----あれっ?確か、あの映画では、
ボンドが初めて愛した女ヴェスパーを喪うんだよね。
「そう、この映画は
そのヴェスパーを背後で操っていた組織に対する
ボンドの強い復讐心が物語を牽引してゆく。
あのM(ジュディ・デンチ)なんかは、
ボンドが私情に流されて任務を忘れるのではないかと、
いつも疑いの目を向けているほど」
----それはまた…。
ところで今回の悪役ドミニクを演じているのは
マチュー・アマルリックなんだって?
組織のボスにしては少し線が細い気が…。
「うん。
でも彼は慈善団体グリーン・プラネットのCEOでもあるんだ。
表と裏の顔を自然に使い分けるという意味では
このキャスティングもありかも…。
でもなあ……」
----あれっ、釈然としない顔をしているニャあ。
確か、この映画は海外での評判も高いのでは?
「そうだね。
アクションもキレがいいし。
冒頭の崖でのカーチェイスに始まり、
海へ空へと見せ場がてんこもり。
フィジカル・アクションの方も
『ヤマカシ』か、はたまたジャッキー『ラッシュアワー2』かという感じ。
でも、これが果たして『007』と言えるのかどうか?」
----そこんとこ、もう少し詳しく……。
「『007』って、やはり男のロマンだと思うんだ。
伊達男という、古い言葉が当てはまるような…。
いくら危険に見舞われても、
どこかしら彼には余裕がある。
ボンドガールと呼ばれる女たちとも
こだわりなくラブ・アフェアを楽しんじゃうしね」
----でも、今回もボンドガールはいるんでしょ?
「うん。ふたりね。
ひとりはボリビア駐在の諜報員フィールズ(ジェマ・アータートン)。
彼女はボンドのお目付役だけど、
彼に惹かれてベッドイン。
でも、これがとってつけたような感じ。
あまり、そうなった流れがよく分からない。
そのときのボンドの感情からして
その行為はありえないんだよね。
これが、ここまで内面に踏み込んだハードな作りじゃなければ、
なんとも思わないんだけどね。
そして、もうひとりがオルガ・キュリレンコ演じる
ボリビアの元諜報員カミーユ。
実は、彼女にも忘れがたい過去があり、
結局は、このトラウマを抱えたふたりが
物語の軸となっている」
----ははあ。確かにボンド映画らしくないニャあ。
「それでも、
過去の作品に対して敬意を表しているのはよく分かるんだけどね。
ボートチェイスは『007/ロシアより愛をこめて』、
また『007/ゴールドフィンガー』のオイル版も出てくる」
----オイル?
「うん。
資源というのはいまの世界情勢を語る重要なポイント。
いまや右も左も関係なく、
世界の戦争、紛争は
この資源争奪から起こっている。
それを改めて感じさせてくれた映画ではあったね」
----う~ん。やっぱり『007』らしくないニャあ。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「Qは出てこないのかニャ」
※そういえば秘密兵器がない度
人気blogランキングもよろしく
☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はイギリス・オフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
※この映画、『007』シリーズ中、ランニングタイムが最短です。
-----『慰めの報酬』?
あまり『007』らしからぬ名前だよね。
「うん。カタカナがまったく入らなかったのは
1985年の『007/美しき獲物たち』以来になるね。
それにしてもよく分からないタイトル。
原題の『Solace』は慰めの意味だけど、
『Quantum』は字幕で組織のルビが振られていた。
今後スペクターみたいになるのかなあ?」
----確か今回も主演はダニエル・クレイグだよね。
前作と似た感じなの?
「もう、これが似てるなんてモノじゃない。
なにせ、前作『007/カジノ・ロワイヤル』のエンディングの
まさに一時間後から物語が始まってるんだもの。
しかも、監督が『チョコレート』『ネバーランド』の
マーク・フォスターだけあって、
もっとボンドの内面に入り込んだ心理描写たっぷりの映画に仕上がっている」
----あれっ?確か、あの映画では、
ボンドが初めて愛した女ヴェスパーを喪うんだよね。
「そう、この映画は
そのヴェスパーを背後で操っていた組織に対する
ボンドの強い復讐心が物語を牽引してゆく。
あのM(ジュディ・デンチ)なんかは、
ボンドが私情に流されて任務を忘れるのではないかと、
いつも疑いの目を向けているほど」
----それはまた…。
ところで今回の悪役ドミニクを演じているのは
マチュー・アマルリックなんだって?
組織のボスにしては少し線が細い気が…。
「うん。
でも彼は慈善団体グリーン・プラネットのCEOでもあるんだ。
表と裏の顔を自然に使い分けるという意味では
このキャスティングもありかも…。
でもなあ……」
----あれっ、釈然としない顔をしているニャあ。
確か、この映画は海外での評判も高いのでは?
「そうだね。
アクションもキレがいいし。
冒頭の崖でのカーチェイスに始まり、
海へ空へと見せ場がてんこもり。
フィジカル・アクションの方も
『ヤマカシ』か、はたまたジャッキー『ラッシュアワー2』かという感じ。
でも、これが果たして『007』と言えるのかどうか?」
----そこんとこ、もう少し詳しく……。
「『007』って、やはり男のロマンだと思うんだ。
伊達男という、古い言葉が当てはまるような…。
いくら危険に見舞われても、
どこかしら彼には余裕がある。
ボンドガールと呼ばれる女たちとも
こだわりなくラブ・アフェアを楽しんじゃうしね」
----でも、今回もボンドガールはいるんでしょ?
「うん。ふたりね。
ひとりはボリビア駐在の諜報員フィールズ(ジェマ・アータートン)。
彼女はボンドのお目付役だけど、
彼に惹かれてベッドイン。
でも、これがとってつけたような感じ。
あまり、そうなった流れがよく分からない。
そのときのボンドの感情からして
その行為はありえないんだよね。
これが、ここまで内面に踏み込んだハードな作りじゃなければ、
なんとも思わないんだけどね。
そして、もうひとりがオルガ・キュリレンコ演じる
ボリビアの元諜報員カミーユ。
実は、彼女にも忘れがたい過去があり、
結局は、このトラウマを抱えたふたりが
物語の軸となっている」
----ははあ。確かにボンド映画らしくないニャあ。
「それでも、
過去の作品に対して敬意を表しているのはよく分かるんだけどね。
ボートチェイスは『007/ロシアより愛をこめて』、
また『007/ゴールドフィンガー』のオイル版も出てくる」
----オイル?
「うん。
資源というのはいまの世界情勢を語る重要なポイント。
いまや右も左も関係なく、
世界の戦争、紛争は
この資源争奪から起こっている。
それを改めて感じさせてくれた映画ではあったね」
----う~ん。やっぱり『007』らしくないニャあ。
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「Qは出てこないのかニャ」
※そういえば秘密兵器がない度
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☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)
※画像はイギリス・オフィシャル(壁紙ダウンロードサイト)より。
※この映画、『007』シリーズ中、ランニングタイムが最短です。
前作でもそうですが、やっぱりボンドは
もっとスマートでいてほしいのが個人的
意見ですし、それにあの無駄なラブシーンは
必要ないですよね。
>『007/ゴールドフィンガー』のオイル版も出てくる
あ~、そういえばありましたね、そんなシーン。
今回のオープニングタイトル(女性の身体が艶かしく出てくる)もそうでしたけど、新しいボンドを作ろうとするわりには、昔のボンドのイメージに固執してる部分も多いですよね。
(それが無いと007じゃなくなっちゃうのかもしれないけど…)
こういうボンドもありなのかもしれませんが,
自分のようなオールドファンにしてみれば
別ものを見せられている感じでした。
あのベッドシーンはとってつけたよう。
「大人の遊び」にもなっていなかった気がします。
この映画で最も印象的だったのは
あの「オイルボディ」でした。
子どもの頃,地元のデパートで
ジェームズ・ボンド展をやっていて、
そのときもっとも印象に残ったのが
『ゴールドルドフィンガー』のビジュアル。
10代になるかならないかの『20世紀少年』にとってはほんとショックでした。(笑)
Mが完全にボンドを認めない限り、Qみたいな助っ人は支給しないということなんでしょうか?
やっぱりこのシリーズはQなしでは語れないですよ!
ドルの価値を低く見るなど、すっかり今風になってますね。
冷戦構造が007の醍醐味だったけれど、ネタ不足の中頑張っていたテーマだと思いました。
ボンドってかるーくボンドガールと寝ちゃう場面があるのは昔のシリーズもあったんですけど、今回のはちょっとナイと自分も思いました。環境とか資源問題がそろそろ娯楽映画にも
要素としてでてくる傾向はこれからも増えそうな気がしますね
Qが出てこないということは、
秘密兵器も出てこないというわけで、
そうなったら、これはやはり
『007』とは別物の、
シリアス・スパイ映画。
そんな気がします。
冷戦構造終結後、アメリカ独り勝ちでしたが、
最近、そのアメリカの権威がぐらついている。
でも、それがそのまま映画にはしづらいところが、今の時代。
今後、このようなシリアス路線を歩んでいると
どこかで苦しくなってしまう気もするのですが…。
あのベッドシーンは「お約束だから入れました」って感じで、
ちょっと無理があったです。
まだ、大人の色気を身につけていないのだから、
そんな余裕もないという設定でいいのではないでしょうか。