ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲<ラプソディ>』

2015-10-15 22:29:17 | 新作映画



(原題:Feher isten)

『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲〈ラプソディ〉』。
雑種犬には課税という法律が制定された世界。
虐げられた犬たちが、
裏社会の闘犬に仕立てられた一匹の犬に率いられて蜂起する。
「アートは批評的なスタンスを決して手放してはならない」。
コーネル監督の言とあわせれば、その寓意は明らかだ。

『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲〈ラプソディ〉』。
無人のブダペストを疾走する250匹もの犬。追われる少女。
どうなることかと息を飲んだが、なるほど納得の伏線の回収。
閑話休題。相手とコンタクトを取るには、同じ高さの視線は基本。
これは犬や猫だけのことではない。これぞ寓話のお手本だ。


       (以上Twitter。…もっと詳しくは↓)

----“少女と犬”…これって、どんな映画ニャの?
またまた泣かせる作品?
「うん。
ぼくも最初はそう思っていたんだけどね。
シノプシスを読んだら、どうも違うらしい。
犬たちが人間に対して立ち上がる。
いわゆる“復讐”の映画ということが分かってきて…。
これは期待できるぞ…と」

----それって『猿の惑星』を思い出すニャ。
「そう。
ぼくもそれを思い出して…。
あの映画では、
人間と同様の能力を持った一匹の猿が現れてリーダーになり、
やがては他の犬を率いて立ち上がる。
リブート版『猿の惑星・創世記<ジェネシス>』では、
そのきっかけとなった<事件>をきっちり描いていた。
そうなると、その後に生まれたこの映画では、
そこをどう見せてくれるのかと、
それも興味のひとつ」

----そうか。
この時代、
急に犬が凶暴化しちゃった…ではすまないわけだニャ?
「76年の『ドッグ』なんかではまだそうだったけどね。
さてこの映画に戻すと…これはもう冒頭から度胆を抜かれる。
人っ子ひとりいない無人のブダペストの街。
そこに自転車に乗ったひとりの少女が現れる。
その背後からうなり声をあげて彼女を追う犬の大群。
あれっ?これは思っていたのと違うぞと…。
ぼくは
少女は犬と一緒に人間社会に<復讐>をするのだとばかり思っていたからね」

----なんでそんなことになったの?
「まあまあ待って。
これ、どうなるの?
観る者にそう思わせたらつかみはOK。映画は成功。
実はこの映画の中では、あの
『Mommy/マミー』と同じく、
架空の法律が制定されている。
それは<雑種>の犬には税が課せられるというもの」

----それはひどいニャあ。
フォーンも雑種…。
とんでもない<差別>だ。
「そこ、そこなんだよ。
この映画の作りは“寓話”。
つまり、これは人間社会のメタファになっているんだ。
<差別>された者たちのレジスタンス。
それこそが監督がこの映画で描こうとしたものなんだ。
雑種の反対は純血。
そこを重視する人たちが排斥主義に陥りやすいのは、
いまのこの国を見ても明らか」

----ふむふむ。
国粋主義ってやつだニャ。
「そう。
そしてそんな彼らが選ばれた民、
エリートとして権力を握ると、どうなるか…。
この映画では、
少女リリから無理やり引き離され、
多くの車が行きかう危険な街に放り出されたハーゲンが、
欲にまみれた人間たちの間で売り買いされ、
ついには裏社会の闘犬として鍛えられていく。
その過酷な訓練ときたら…
ここは思わず目をそむけたくなったね」

----ふうむ。
いよいよこれは
最後、どうやって解決するのかが見ものだニャ。
「でしょ。
ぼくもこれはどうやっても無理と、
そう思ったものね。
ところがこのラストシーンときたら…。
コミュニケーションにおける基本を思い出させてくれるばかりじゃなく、
思わず膝を打つ
見事な伏線の回収を見せてくれる。
11月、絶対におすすめの一本だね」






フォーンの一言「これは騙された思って観てみるのニャ」身を乗り出す

「犬や猫と暮らしている人ならだれもが納得のラストだ度

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