ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

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『ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~』

2009-09-09 21:43:50 | 新作映画
※注:ストーリーを全く書いていませんでしたので、
約6時間後に書きくわえました。


----今年って太宰治原作の映画化が多いよね。
ほかにも『斜陽』『パンドラの匣』だっけ?
「そうだね。今年は太宰生誕100年だし、
映画界も盛り上がっているみたいだ。
なかでもこの作品は監督の根岸吉太郎
モントリオール世界映画祭で監督賞受賞。
話題性も多い。
ただ映画祭前から、その創設者兼ディレクターの
セルジュ・ロジークが絶賛していたこともあり、
ぼく自身は、受賞と聞いてもそれほど驚かなかったけど…」

----でも、やはりその受賞は映画としての魅力があるってことだよね?
「そうだね。
これはベースとなる『ヴィヨンの妻』に
『思い出』『灯籠』『姥捨』『きりぎりす』『桜桃』『二十世紀旗手』など、
太宰作品のエッセンスを絶妙なバランスで配合。
主人公・大谷(浅野忠信)と佐知(松たか子 )を、
『桜桃』と『タンポポ』に譬えたということのようだ。
痛みやすいけど甘みがあって愛される“桜桃”が大谷、
どんな環境にも対応して成長し、
華やかではないけれど誠実な美しさを持った“タンポポ”が佐知ということらしい。
これらはフライヤーに載っていた文を転載させてもらっているわけだけど、
ついでにやっちゃえば『ヴィヨン』は
高い学識を持ちながら、
逃亡・入獄の生活を送ったフランスの中世末期の近代史の先駆者フランソワ・ヴィヨン。
無頼で放蕩な人の譬えとして使われるんだそうな」

----あらら、全部写しちゃった。
いいのかニャあ?
「どうだろう。
映画の悪口言っているわけじゃないし、いいんじゃないかな…。
しかし、こういう原作ものはいつも言うように、語るのが難しい。
ぼくが原作を読んだのはずいぶん昔だし、
細かい脚色がどうなっているかなんて分かりようもない。
だけど、ずばり言えばこの映画はオモシロい。
と言うよりも、ぐいぐい引き込まれたね。
これは多分に脚本の田中陽造が素晴らしいんだね。
まるで未読の小説のページをめくるように、
次のシーンへの期待が高まり、
カットからカットへの移行を息を飲んで見つめてしまう。
キャスティングも素晴らしく、
浅野忠信も、いつものアクが抑えられているし、
松たか子に至っては、
この女性に惚れない男はいないだろうというほど、
魅力的な妻を演じて見せる。
大谷の愛人を演じる広末涼子も、
そのはすっぱさが体全体から匂う感じ。
あと、大谷に金をだまし取られる飲み屋夫婦。
とりわけ伊武雅刀は秀逸。
あの人間臭さは、そうとうな人間洞察がないと出てこない」

----めちゃ褒めじゃニャい?
あんまり熱く喋っているとしらけちゃうよ。
「さらに時代考証。
当然、ぼくは当時を知っているわけじゃないから、
あまり偉そうなことは言えないけど、
昔の日本映画で観た世界が
そっくり再現されていた気がする。
いやあ、いまになって
これはオモシロい映画だったと再確認したな」

----あらあら。

         (byえいwithフォーン)

※追記箇所(ちょっと簡単なストーリー)

●戦後混乱期の東京。放蕩者の小説家・大谷は酒代を踏み倒し、
しかも、その飲み屋から大金を盗んで逃げだす。
それを知った妻・佐知は警察沙汰だけは許してもらおうと、
その店で働き、お金を返そうとする。
そんな彼女の前に、佐知を慕う工員・岡田(妻夫木聡)や
かつて幸が思いを寄せていた弁護士・辻(堤真一)が現れ、
佐知の心も揺れ始める。
そんな妻の心を知ってか知らずか、
大谷は親しくしていたバーの女・秋子(広末涼子)と姿を消してしまう…。



フォーンの一言「でも、太宰は苦手だったんじゃなかったのかニャ?」小首ニャ

だから、映画としてオモシロいんだ度

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絶妙のタイミング? (Ageha)
2009-09-09 17:36:48
モントリオール映画祭でしたっけ?
監督賞受賞で
映画公開前にいい宣伝になりましたね。
朝ニュースで見て
こちらでベタほめレビュー見て。(笑)

生誕100年でブックフロアでは、
松本清張と太宰治のフェアが
夏休み感想文の時期と重なってそこそこ売れてました。


いや~私は読まず嫌いで内容ろくに知らないですが映画は見たくなってきました。(笑)
■Agehaさん (えい)
2009-09-09 21:34:35
こんばんは。

いやあ、ストーリーを書かないと、
書くのが早い早い。
でもいま読み返すと、
これ、内容まったく分からないですね。
ちょっと補足しようかなあ。
こんにちは、 (mig)
2009-10-12 10:51:56
>松たか子に至っては、
この女性に惚れない男はいないだろうというほど

本当ですね。こんな素晴らしい女性。
太宰の理想だったのかな、
広末だけはどうにもダメでしたけど
期待以上に良かったです、今作。
■migさん (えい)
2009-10-12 12:55:17
こんにちは。
広末、評判悪いですね。

あまり好きな女優ではなかったのですが、
この映画の彼女は、
その妖艶さが、昭和の毒婦って感じで
意外にハマっていた気が
ぼくはしました。
Unknown (Unknown)
2009-10-13 23:53:05
面白かったですね。
一見するとダメ男と健気な妻なんですけど、実はこの妻は精神性では大谷によく似ているのではと思いました。
桜桃とタンポポに比喩される死生観が違うので、葛藤が生まれますが、彼ら二人の関係って自己愛に近いんじゃないのかなあという気がします。
なかなかにシニカルで切ない映画でした。
Unknown (ノラネコ)
2009-10-13 23:53:27
名前書き忘れました・・・
ダメ男(笑) (Ageha)
2009-10-14 23:52:05
…に惹かれる女。
黙ってついていくにしろ、
尻叩いて教育しちゃうにしろ
女性ってのは
ああいうタイプのオトコを
ほっとけないように出来てるんですかね?

ワタシはムリですが。(笑)

でもそのことよりも
一見健気に見える佐知のあまりに風変わりなキャラにアングリしちゃいました。
■ノラネコさん (えい)
2009-10-16 06:08:06
こんにちは。

なるほど「似た者夫婦」ということなのかも。
逆に、そうでなければ、
あそこまで彼女が彼に付いていくことはできないかも。

ふたりの男に誘われて、
その時にとった行動の違いも、
結局は、彼を助けられるかどうかでしたね。
究極の自己愛か。
■Agehaさん (えい)
2009-10-17 09:56:58
こんにちは。

ただ、ダメ男というだけで、
女性にモテるんだったら、
こんなに楽なことはないのですが(笑)。

やはり、それだけでない
なにか、プラスαがあるんでしょうね。
(あたりまえか)
でも、佐知が奇特…と言われれば、
それはそれで納得ですが。
お久しぶりです (なな)
2009-10-24 23:32:33
私は太宰は苦手で,(よくわからんのですよ)
したがって原作も未読なんですが
映画は確かにこんな地味で暗いお話なのに
少しも退屈せずに引き込まれて観ましたね。
そうか,やっぱり脚本がいいんですね。
それに役者のハマり具合や魅力も
この作品の見どころでした。
あまり好きなお話ともいえないのですが
何度か観返したくなりそうな予感がします。

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