ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『カサノバ』

2006-04-23 23:51:07 | 新作映画
----カサノバって人、よく映画になるよね。
「うん。チラシの言葉を借りれば
<恋愛史上最も名高いプレイボーイ>。
その道を究めた人のドラマと言うのは、どんなものであれ、
それだけでオモシロいけど、
それが色恋ごととなれば、さらに映画向きってことじゃないかな」

----でも、そうなると<真実の愛>からは遠ざからない?
「現代のモラルからするとそうなるんだろうけど、
とにかく彼は、女性につくすことを人生最大の歓びとしたらしい。
貴族の令嬢から娼婦まで、その数、実に130人とも言われる。
この映画では、最初はカサノバの恋の手練手管を見せながら、
途中から物語を思わぬ方向に転ばせてゆく」

----えっ、伝記映画じゃないの?
「そう、勘違いしてもしょうがないよね。
じゃあ、まずは簡単なプロットを紹介しよう。
女遊びがすぎて教皇庁に睨まれているカサノバ。
彼は次のカーニバルまでに良家の子女と結婚することを余儀なくされる。
ところがその前にひとりの魅力的な女性フランチェスカ(シエナ・ミラー)が現れる。
彼女は男に変装して大学教授を論破するかと思えば、
剣で男と対等に張り合い、
またグアルデイという男の名前で危険な恋愛小説も書いたりする。
こんな彼女をカサノバ(ヒース・レジャー)が放っておくわけがない。
しかしフランチェスカは『私は生涯、ただ一人の男性だけを愛する』と宣言し、
カサノバのような生き方を拒否するんだ」

----男装の麗人?なんかどこかで聞いたような?
「同じくヴェネチアを舞台にした『ヴェニスの商人』だね。
脚本はそれを意識しているのかも…。
カサノバが自分の正体を偽って
フランチェスカに恋の罠を仕掛けるところなんかも、
まるでシェイクスピア喜劇のような味わい。
<登場人物は真実を知らず、観客はすべて分かっている>……
この構図から生まれる含み笑い的オモシロさが
この映画の特徴だね」

----でもカサノバにはすべてお見通しなんでしょ?
「うん。そこが恋愛の達人たるゆえん。
それでも映画は、ヴェネチアを騒がせる危険人物カサノバとグアルデイの逮捕に
ローマからブッチ司教(ジェレミー・アイアンズ)が
送り込まれたことで急展開を見せる」

----ふうん。楽しみだね。
でも監督がラッセ・ハルストレムとは思えないなあ。
「ハルストレムはいつしか
抑制の利いた演出力を持つ<作家>として定着してしまったけど、
もともとは『アバ/ザ・ムービー』で名を挙げた監督だからね。
この映画では、スタッフたちが本当に楽しそうに作っているのが
観ている方に伝わってくる。
映画自体が弾み、踊っているような感じなんだ。
水の都ヴェネチアの完全ロケーション、
サンマルコ広場における18世紀のカーニバルの再現、
気球の上のロマンチックな逢瀬……。
まさに<芳醇>という言葉がふさわしい映画だ。
ストーリーの方も、だれもが予想しない結末を迎えるしね」

----えっ、なになにそれ?
でも、どうせまた教えてくれないんだよニャあ。
「いやいやいや(笑)。
じゃあヒントを一つだけ。
かくして<伝説>は生き続ける」

----なんのこと?まったく分かんないよ。
                  (byえいwithフォーン)

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9 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
カサノバ観ました! (ミッシー)
2006-04-25 12:52:53
こんにちは。

ごぶさたしてます~。



一足先に「カサノバ」観に行ったので、レポート&ショートストーリーをトラバさせてもらいます。



えいさんのレポートって、ほんと読みやすいですよね。

私は勢いだけで書いてますが、良かったら遊びにきてください
■ミッシーさん (えい)
2006-04-25 23:00:31
こんばんは。



読みやすいと言っていただき、光栄です。

この『カサノバ』は、いくつものストーリーが交錯して

ラストで大団円を迎えるという幸せな映画。

どこを割愛するか悩みました。



ミッシーさんはハルストレム監督がお好きなんですね。

僕はこの監督だったら『ギルバート・グレイプ』かな。
コスプレも楽しみ (ゆづ)
2006-04-30 13:30:58
えいさん、こんにちは。



最近、意図せずにヒース・レジャーの出演作のDVDを何本か観ていて、

かなり気になる俳優さんです。

「カサノバ」も楽しみです。

中世が舞台になっているようですね。

宝塚好きでもある私は中世のコスプレも大好き。

いろいろな楽しみ方ができる映画になりそうです。

シエナ・ミラーも出ていて、

プレーボーイのお話ということで

なんだか「アルフィー」みたいな先入観を持ってしまわないか、

追加 (ゆづ)
2006-04-30 13:32:47
えいさん、こんにちは。

先ほどの投稿、書いている途中で送信してしまいました。

申し訳ありません。



続き・・・

なんだか「アルフィー」みたいだなという

先入観を持ってしまわないか、心配です(笑)
■ゆづさん (えい)
2006-04-30 22:26:37
こんばんは。



むふふ。

『アルフィー』に比べて痛快です。

時代の違いか、あるいはカサノバが天性のプレイボーイだからか…。



だいじょうぶ。

ヒース・レジャーのファンの方でしたら、

けっこう楽しめると思います。
こんばんは。 (しましま)
2006-06-10 01:43:21
今夜私も観てきました!すごく面白かったです!

そういえば、一緒に観に行った人も

『ヴェニスの商人』のことを口にしていました。

私はまだ観ていないのでこの作品も

レンタルして観たいと思います。
■しましまさん (えい)
2006-06-11 09:50:05
楽しい映画でしたね。



現実に根ざした映画もいいのですが、

このような<遠い異国>へ連れて行ってくれる映画もまた格別。

『ヴェニスの商人』も楽しんでください。

また、よろしくお願いします。
今年のベスト候補が^^;;; (にゃんこ)
2006-06-18 21:45:24
こんばんは~

えいさんのとこで見つけて、すっごく楽しみにしてたのですが

予想に違わず・・・いえいえ、それ以上にはまっちゃいました♪

『ベニスの商人』や『恋に落ちたシェークスピア』が気に入ってるひとなら

観てて、楽しめるんじゃないかな?

ジェレミー・アイアンズは、ベニスで生真面目だった分

こちらで、プッチ司教楽しんで演じていたのでは(笑)

なんて思ってしまいました。

大団円の中で、予測できなかったのは弟くん(笑)

そうか~そーだったのかーーーっと

感慨深く、観終えましたっけ^^;
■にゃんこさん (えい)
2006-06-19 00:58:30
こんばんは。



今年のベスト候補とは、スゴいですね。

ご紹介しておいたかいがあったと言うものです。

しかし、この脚本は巧かった。

いろんなエピソードが見事に収斂しました。



弟くんの扱いなんて、

もうあっけにとられるしかありませんでした(笑)。

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