※傑作『まぼろしの市街戦』オリジナルポスター。
最初はこの映画に似ていると聞いていましたが……。
----トンマッコルって韓国の地名なの?
あまり聞いたことないけど……。
「うん。これは架空の村で、
韓国語で“子どものように純粋な村”という意味。
舞台は朝鮮戦争が行われていた1950年代。
険しい山の奥深く、
神秘的な森のはずれにあるその村は、
完全に時間が止まっていて、
村人たちは菜食のみで自給自足で暮らしている。
そんなトンマッコルに予期せぬ6人の客がやってくる。
最初に空から降ってきたのは、
連合軍のアメリカ人パイロット、スミス。
次に韓国軍の兵士だと名乗る2人。
この国で戦争が起こっていると知らされ、驚く村人一同。
そして村の少女ヨイルが、
韓国軍と敵対する人民軍の3人を村へ連れてくる。
映画は、彼らがこののどかな村で、
最初はにらみ合いながらも、
次第に打ち解けて、
最後は力を合わせて村を外敵から守ろうとするまでを
寓話的に描いていく」
----お話だけ聞くと、
良心的な映画って感じだね。
「うん。この映画、映像も美しくユーモアもあり、
風刺もよく効いているんだけど、
すべて予想がついてしまうところが問題。
村人たちは<だれもがいい人>に形式・統一化されているだけに、
あまりにも展開に驚きが少ない。
村の中には、現実社会のような争いはもちろん、
嫉妬や差別を含む人的葛藤が全くない。
ドラマとしてのうねりも生まれようがないんだ」
----でも、そこに6人がうねりを作るわけでしょ?
「うん。それはそうなんだけど、
それも6人の中だけでのお話。
しかも彼らも村の中と同じ穏やかな人間になっていく」
----ニャるほど。彼らによって村人の誰かが外界を知り、
共同体の危機が訪れると言うわけではないんだ。
それで2時間強はキツいなあ。
「でも、それは普通の映画の観方であって、
この映画は意外と退屈すると言うことはない。
2005年、韓国では6人に一人が観たと言われ、
その年の第一位のヒットを記録している」
----この映画のどこにみんなは惹かれたんだろう?
「人民軍の将校を演じるチョン・ジェヨン(『シルミド/SHILMIDO』)、
敵対する韓国軍の将校役のシン・ハギュン(『JSA』)。
実力派である出演者の力に負うところが大きいだろうね。
キャラクターの性格づけがよくなされた脚本と相まって、
彼らが互いに敵対関係を解いていくさまが
ふたりの名演によってさらに説得力を持ってくる。
それと知的障害を抱える心のピュアな役で
『オールド・ボーイ』のカン・ヘジョンが出演。
彼女は青龍賞と大韓民国映画大賞の助演女優賞に輝いている。
もっともこの役は
比較的やりやすかったのではという気がしないでもないけどね」
---そう言えば、日本から久石譲が参加しているね。
「うん。いつもはファイナルカットしか観ない彼が、
今回に限っては自分でそれを破ったと言うから、
作品への思い入れの強さが窺える」
----でも、本当に映像は美しそうだ。
「ネタバレになるから詳しくは言えないけど、
クライマックスの戦闘シーンは大迫力。
村を徹底して美しく描いた後だけに、
その悲惨さがよりくっきりと浮かび上がってくる。
いろいろ辛口に喋ったけど、
そこでは『みんな生き延びてほしい』とマジに祈ったもの。
あっ、それとポップコーンの雨。
これは素晴らしかったな」
----ん?ニャんのこと?
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「これが噂の桃源郷なのかニャ?」
※のどかな村だ度
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最初はこの映画に似ていると聞いていましたが……。
----トンマッコルって韓国の地名なの?
あまり聞いたことないけど……。
「うん。これは架空の村で、
韓国語で“子どものように純粋な村”という意味。
舞台は朝鮮戦争が行われていた1950年代。
険しい山の奥深く、
神秘的な森のはずれにあるその村は、
完全に時間が止まっていて、
村人たちは菜食のみで自給自足で暮らしている。
そんなトンマッコルに予期せぬ6人の客がやってくる。
最初に空から降ってきたのは、
連合軍のアメリカ人パイロット、スミス。
次に韓国軍の兵士だと名乗る2人。
この国で戦争が起こっていると知らされ、驚く村人一同。
そして村の少女ヨイルが、
韓国軍と敵対する人民軍の3人を村へ連れてくる。
映画は、彼らがこののどかな村で、
最初はにらみ合いながらも、
次第に打ち解けて、
最後は力を合わせて村を外敵から守ろうとするまでを
寓話的に描いていく」
----お話だけ聞くと、
良心的な映画って感じだね。
「うん。この映画、映像も美しくユーモアもあり、
風刺もよく効いているんだけど、
すべて予想がついてしまうところが問題。
村人たちは<だれもがいい人>に形式・統一化されているだけに、
あまりにも展開に驚きが少ない。
村の中には、現実社会のような争いはもちろん、
嫉妬や差別を含む人的葛藤が全くない。
ドラマとしてのうねりも生まれようがないんだ」
----でも、そこに6人がうねりを作るわけでしょ?
「うん。それはそうなんだけど、
それも6人の中だけでのお話。
しかも彼らも村の中と同じ穏やかな人間になっていく」
----ニャるほど。彼らによって村人の誰かが外界を知り、
共同体の危機が訪れると言うわけではないんだ。
それで2時間強はキツいなあ。
「でも、それは普通の映画の観方であって、
この映画は意外と退屈すると言うことはない。
2005年、韓国では6人に一人が観たと言われ、
その年の第一位のヒットを記録している」
----この映画のどこにみんなは惹かれたんだろう?
「人民軍の将校を演じるチョン・ジェヨン(『シルミド/SHILMIDO』)、
敵対する韓国軍の将校役のシン・ハギュン(『JSA』)。
実力派である出演者の力に負うところが大きいだろうね。
キャラクターの性格づけがよくなされた脚本と相まって、
彼らが互いに敵対関係を解いていくさまが
ふたりの名演によってさらに説得力を持ってくる。
それと知的障害を抱える心のピュアな役で
『オールド・ボーイ』のカン・ヘジョンが出演。
彼女は青龍賞と大韓民国映画大賞の助演女優賞に輝いている。
もっともこの役は
比較的やりやすかったのではという気がしないでもないけどね」
---そう言えば、日本から久石譲が参加しているね。
「うん。いつもはファイナルカットしか観ない彼が、
今回に限っては自分でそれを破ったと言うから、
作品への思い入れの強さが窺える」
----でも、本当に映像は美しそうだ。
「ネタバレになるから詳しくは言えないけど、
クライマックスの戦闘シーンは大迫力。
村を徹底して美しく描いた後だけに、
その悲惨さがよりくっきりと浮かび上がってくる。
いろいろ辛口に喋ったけど、
そこでは『みんな生き延びてほしい』とマジに祈ったもの。
あっ、それとポップコーンの雨。
これは素晴らしかったな」
----ん?ニャんのこと?
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「これが噂の桃源郷なのかニャ?」
※のどかな村だ度
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こちらの記事にもTBさせていただきました。
偶然、他のブロガーさんから試写券を譲っていただき見たのですが、
映画の内容も出演者情報もまったく予備知識がなかったせいか、私は大満足した作品です(笑)。
登場人物が善人ばかりとか、話の展開がありきたりとかは、確かに、えいさんがご指摘の通りだと思います。
でも私、ああいうほのぼのヒューマン・ドラマに弱いので、どっぷりハマってしまったかも
役者は全員達者でしたねぇ。それもまた感心した要素です。
前日の試写で見た映画が、大スターを揃えて大金投じたものの、思いっきり「駄作」だっただけに、
素朴で真摯な造りのこの映画によけい好感をもったのかもしれません。
その前日の映画って何なのでしょうか?
先ほどお伺いしたのですが、
そういう「大作」が見当たらず、
いまもって謎です。
大作って言っても、「中華圏」ではって
但し書きを付けるべきでした
「ウィンター・ソング」という香港のミュージカル映画なんですが
一般の方はほとんどご存知ないですよねぇ。
ま、大した作品じゃないので、正直オススメはいたしません
『ウインターソング』のことでしたか。
ふ~む。金城武とジャッキー・チュン。
確かに大物スターではありますね。
監督がピーター・チャン。
『金枝玉葉』シリーズでは話題を集めていましたが、
久しぶりにその名を聞いた気がします。
「トンマッコルへようこそ」みました。
とても心に沁みるいい映画でした。
TBさせていただきます。
はじめまして。
あのポップコーンができるところが好きです。
あと、ラスト。
みんなが力を合わせて村を守るところは
やはりグッときました。
試写会応募したら行けたよラッキーでした。(笑)
久石さんが音楽をつけると
ジブリ実写版みたいな雰囲気でしたが。
映画を見てるときはそこに映し出される映像に
笑ったり泣いたりしてたんですが
あとでいろいろ考えこんでしまいました。
ヤフーで辛口レビューがイッパイ載ってて
びっくりしたし。
余談ですが
金城武が久々スクリーンで見れると思ってたのに
イマイチなんですか・・・。
辛口比評が多いのですか?
ぼくもこの映画はそれほどではないのですが、
『グエムル~』までも叩かれているとか。
少々複雑。
あっ、金城武の新作は観ていません。
誤解与えてしまったかも……。
観ましたよぉ~。
戦争と平和の両面で考えさせられる映画でしたねぇ。それでいてジブリっぽくて楽しませてもらいました。
”800万人が笑って、泣いた”という意味がわかったような気がします。
しかし、非常にユニークな映画でした。
よくここまで寓話的な物を、現実の戦争とリンクさせて作ったなあと思いましたが、原作が舞台劇だと聞いて納得。
ちょっとやりすぎの所もありましたが、ビジュアルイメージの豊かさには感動しました。