ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『イカとクジラ』

2006-07-13 21:48:33 | 新作映画
----この映画も、昨年の賞レースに絡んできた作品だったよね。
変なタイトルだから覚えている。
でも、どういう意味ニャの? 
「それを説明し始めると、
ストーリーを全部言わなくてはならないからなあ。
まずは、この映画のシノプシスから喋ろうかな。
かつては人気作家だったバーナード(ジェフ・ダニエルズ)と
その妻で新進気鋭の作家ジョアン(ローラ・リニー)は、
互いの気持ちが噛み合なくなり、ついに離婚を決意。
彼らのふたりの息子たち、
16歳のウォルト(ジェス・アイゼンバーグ)と
12歳のフランク(オーウェン・クライン)は、
今日はパパの家、明日はママの家と翻弄される」

----ニャんだ、たいした話じゃないじゃない。
でも、どの賞でも、その脚本が注目されていたよね?
「うん。物語の背景が1986年のブルックリン。
自分の小説が売れなくなっても矜持を失わない男の
悲哀さと滑稽さがまずは見モノ。
彼は『小説を読まず映画も観ない』人たちを軽蔑しているけど、
実は自分がもっともスノッブ。
そんな彼を<ホンモノ>だと思い、
母を非難する立場を取るのが長男ウォルト。
一方の母親は寂しさもあり、次々と浮気に走る。
この母親に付くフランクは、
性的に早熟な上、アルコールにまで手を出してしまう」

----ふうん。少しオモシロそうに思えてきた。
「彼らスノッブ・ファミリーを演じる俳優たちの
アンサンブルはこの映画最大の見どころ。
でも、ぼくはこの映画の特徴の一つとして
その映像も挙げたいんだ。
脚本・監督のノア・バームバックは
80年代の雰囲気を出そうと、
デジタルビデオではなくSuper16で撮影。
当時なかった機材では撮影したくなかったと言うんだね。
しかも、ランニングタイムが81分と言うのを見ても分かるように
めちゃくちゃテンポが速い。
タメや余韻を作ることなく
カット尻も早くポンポン進んでゆく。
音楽や効果音も次のシーンのものを前のシーンから被せていて、
ちょっと『卒業』のときのマイク・ニコルズを思い出してしまった。
そうそう、音楽はピンクフロイドの“Hey You”を使っていた」

----猫が印象的だったって言ってなかった?
「うん。家に飼われていた猫も
ふたりの間を行ったり来たりするんだけど、
クライマックスで実に重要な役割を果たす。
感情的に昂っている父親が猫を抱いたまま連れて行こうとする。
ここで『えっ?ヤバい』と思った人は
猫のことをよく分かっている人。
多くの猫はそんなことしたら、
手からするり抜け出して外に飛び出し危ない。
たまに、みゃん茶(家に前いた猫)のような例外、
しがみついて怖がる猫もいるけど、
普通はケージか、最低でも洗濯袋に入れなくては…」

----ふむ。それはそうだ。
「ただ、このエピソードにはオチがあって、
撮影の時に最初使った猫は、
何度落としても、そこに座ってニャ~っと鳴くだけだったらしい。
最終的には走る猫を用意したらしいけどね」

----ぼくを使えばよかったのにね。
「mmmmm……」

          (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「複雑だニャ」複雑だニャ

アイス・ストーム ASBY-5050アイス・ストーム ASBY-5050
※舞台が70年代だと、親はこういうことまでヤッちゃいます。

※離婚が子供に与える傷は大きい度
人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

※画像はアメリカ・オフィシャルサイトのプレスキットより。

コメント (2)   トラックバック (10)   この記事についてブログを書く
« 「えいのえ~い5本まとめてド... | トップ | 『花田少年史 幽霊と秘密の... »
最近の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんわ。 (隣の評論家)
2006-11-28 23:21:38
しばしの間、TB&コメントでお邪魔する事がなさそうです。随分先になってしまうかもしれませんが、この作品では遊びにくる予定

ところで Super16 って何でしょう?
っと、説明して頂いても、もしかしたら全然知らないかもしれませんが

機械オンチだしー
■隣の評論家さん (えい)
2006-11-29 10:49:44
こんにちは。

お体、いたわってくださいね。
まずは万全な体調に戻してからです。

隣の評論家さんが12月にご覧になる予定の映画、
ここしばらくで次々とアップ予定なので、
そのときはまたよろしくお願いします。

スーパー16はカメラの一種で、
35ミリに比べてハンディで
手持ちしやすく、
フィルム代も安価なので
日本映画では一時期よく使われていました。

ちなみにアメリカではスーパー35が
人気を集めていました。
DVD等で
上下が映画バージョンよりも広く映っていたら、
それを使用していると思っていいと思います。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

新作映画」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事

10 トラックバック

『イカとクジラ』 (ぶらぶら..ぶろぐ)
ずっと、うずうずしながら公開を心待ちにしてた「イカとクジラ」。 公開初日の今日、
イカとクジラ (シャーロットの涙)
世界最大といわれるダイオウイカと、それを餌にするマッコウクジラ。ニューヨークのアメリカ自然博物館に巨大ジオラマが展示してあるようだけど…映画や文学、そして音楽等のオマージュがたくさん登場し、粋でリアリティに満ちている台詞たち。 詳しくは知らない ...
真・映画日記『イカとクジラ』 (CHEAP THRILL)
12月8日(金) 日中はそこそこ忙しい。 週末だからね。 仕事は午後6時40分に終業。 急いで新宿へ。7時15分に着く。 新宿武蔵野館へ。 関東では現在ここでしか上映されていない『イカとクジラ』を見る。 客入りは8割くらい。 定員133人のところだから ...
イカとクジラ (日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~)
突然、離婚した夫婦、そして、そのことによる環境の変化に戸惑う二人の息子。それぞれの独身生活を謳歌する両親は、息子たちに現れてくる異常行動に気付く余裕もありません。 親の離婚が、その子どもの心にどんな変化をもたらすか...。「両親の離婚」という ...
イカとクジラ (knockin' on heaven's door)
The Squid and the Whale 突然離婚を宣言した両親とその事態に直面する息子たち。変わり者揃いの一家の悲喜劇、もろインディーズ作風まっしぐら。優しい眼差しに満ちたダメダメ家族のお話。 インテリ作家の両親なのに、理想の親とはほど遠く。子供たちより自 ...
『イカとクジラ』は痛いコメディ (Days of Books, Films)
舞台は1986年のブルックリン。16歳と12歳の息子がいる作家夫婦。長男が生ま
イカとクジラ (映画通の部屋)
「イカとクジラ」 THE SQUID AND THE WHALE/製作:2005
イカとクジラ (☆彡映画鑑賞日記☆彡)
 コチラの「イカとクジラ」は、ノア・バームバックが監督&脚本を務めたPG-12指定のヒューマン・コメディです。監督のご両親もこの映画同様2人とも作家で、自伝的な映画と言えるんだそうですね。  タイトルの「イカとクジラ」は、「ナイトミュージアム」の舞台でもあ...
『イカとクジラ』'05・米 (虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ)
あらすじかつては人気作家だったが今は落ち目のバーナード(ジェフ・ダニエルズ)と新進気鋭の作家ジョアン(ローラ・リニー)の夫婦、は離婚を決意した。そのため、2人の子どもで、16歳のウォルト(ジェス・アイゼンバーグ)と12歳のフランク(オーウェン・クライン...
『イカとクジラ』 (『映画な日々』 cinema-days)
イカとクジラ 作家である両親の離婚を機に離れ離れになって行く家族と 傷ついていく息子たちを描く。 個人評価 ★★ (自宅鑑賞)