(原題:Venuto al mondo)
----主演がペネロペ・クルスとエミール・ハーシュ。
ちょっと異色の組み合わせだケ尾d、
これってラブストーリーだよね?
「う~ん。
もちろん、根底にあるのは“愛”なんだけど、
これがタイトルから受けるイメージとは全然違う、
想像以上にヘビーな物語なんだ。
観客層を広げようと思ってのことなんだろうけど、
カップルでこれを観に行ったら、
かなり後がしんどそう」
----へ~っ。
まったく想像がつかないや。
タイトルに “旅”ってあるけど、
ロードムービーというワケでもニャいの?
「じゃあ。
ストーリーをかいつまんで。
と言っても、
ほとんどプレスの要約になるけど…。
ローマに暮らすジェンマ(ペネロペ・クルス)のもとに、
ある日、一本の電話がかかってくる。
それは青春時代を過ごしたサラエボに住む旧い友人ゴイゴからの誘いだった。
ジェンマは16歳の一人息子ピエトロとの難しい関係を修復するために
もう一度自分の過去を訪ねる旅に出ることを決意する…。
さて、映画はここから彼女の若い時代の恋へと移っていく。
20年以上前、サラエボに留学していたジェンマは
アメリカ人のカメラマン、ディエゴ(エミール・ハーシュ)と恋に落ちる。
やがて結ばれた二人はローマに帰って新婚生活を送り始めるが、
子どもに恵まれず、
ジェンマは苛立ちを隠せない。
そんな中、サラエボには不穏な空気が流れ、
遂に民族紛争の火ぶたが切られてしまう。
ディエゴは戦場の空気を記録するためローマから一人サラエボへ。
後を追ったジェンマもかつての友人たちと再会し、
人道支援活動に参加する。
そん中、ディエゴとの子どもがほしいという夢をあきらめきれないジェンマは
代理母を探すことにする」
----あらあら。
そんな政治情勢の中で、
よく代理母ニャんて考えるよニャあ。
「うん。
実はディエゴやその仲間たちは
ヒッピーというかボヘミアンというか、
みんな、自由を謳歌しているアーティストたち。
ふたりのために代理母を買って出た女性アスカ(サーデット・アクソイ)もミュージシャン。
子どもが産めないジェンマのためにディエゴと寝るワケだから、
まあ、割り切っているというか、肝が座っているというか…」
----でもそんな関係になったら
後から“愛”が生まれそうだけど…。
「うん。そこなんだよね。
ディエゴは、結局アスカとはセックスしなかったとジェンマに話す。
しかし、その後、どうも彼の態度が怪しい。
で、あるとき、ジェンマが夫の後を付けると、
そこには…」
----うわあ。ほんとヘビーだ。
「いやいや。
ここで話は終わりはしない。
映画は、さらにミステリーの度合いを深め、
かつて“そこ”で何が起こったのかを見つめていく。
さっきぼくは、ディエゴの態度が怪しいと言ったけど、
これは果たしてほんとうに、
妻への愛が揺らいでしまったからなのか?
ここは早々と語られるから話してもいいんだろうけど、
現在、ピエトロは母ジェンマひとりの手によって育てられている。
実は、戦況が悪化する中、
息子を連れてイタリアに帰ったのはジェンマひとり。
ディエゴはパスポートを紛失し、
戻ることができなかったんだ。
そしてそれは二人にとって永遠の別れとなってしまう」
----そ、それは、つらい話だニャ。
「さて、
ここからが、ぼくが最後の最後まで読めなかった、怒涛の展開が始まる。
実を言うと、
ある一本の映画を引き合いに出したいところなんだけど、
それをやっちゃうと、
観た人には、物語の構造が分っちゃうから、泣く泣く割愛」
----なんとも、奥歯にモノが挟まったような紹介だニャ。
ところでこれって監督のオリジナル?
「いや。
2008年に原作が発表されている。
興味深いのがその作者というのが
本作の監督セルジオ・カステリットの妻でもある
マルガレート・マッツァンティー二。
映画化に当たっては夫婦で脚本を担当。
また、ふたりの息子ピエトロが
本作のピエトロを実名で演じている」
----家族総出で映画化したってワケだニャ。
「(汗)そうまとめられてしまうと、
身も蓋もないけど…。
でも、これくらいしか話せないしなあ、この映画は…。
あと喋ってもいいことと言えば、
いつもながらに期待を裏切らぬペネロペ・クルスの大胆な演技、
エミール・ハーシュの個性を生かした役作り。
『イントゥ・ザ・ワイルド』『ウッドストックがやってくる』など、
彼には、どことなくアウトサイダーの匂いがある。
と、これくらいかな。
そうそう、アウトサイダーといえば、
大女優ジェーン・バーキンも出演。
この映画の放つ、“ある愛”のメッセージと共鳴していた気がするね」
(byえいwithフォーン)
フォーンの一言「サラエボというのが、ひとつのヒントらしいのニャ」
※いまなら、このタイトルの意味がよく分かる度
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