太宰幸子「みやぎ地名の旅」

2011年06月11日 09時48分26秒 | 巻十六 読書感想
みやぎ地名の旅

県内各所の地名の由来を解説。
河北新報の連載記事がベースだそうです。

たとえば山元町の「合戦原」。
大昔の合戦場跡というそれっぽい説に触れながらも、
実は「カセル=やせた土地」に由来するのでは?と
全然別の切り口から提起してくるのがおもしろい。

夜盗沢、燕沢、猿田。。
字面から受ける印象を覆す由来説の数々。
地形図なんかを片手に読み進めるとさらに楽しそうだね。

購入したのは、震災前。
この書には、沿岸部の地域も多く収録されている。
長い歴史の中で地名として伝わってきた地域文化が、
はからずも大きな被害を受けることとなった。

しかし、本書でまさに章建てされているように、
災害に由来する地名というのも非常に多い。
つまり、悠久の歴史の中で、
今回のような大きな傷跡も新たなる文化の礎となっていくかも知れないなと。いつかは。

先人たちは、それこそ多種多様な苦境を生き抜いて、
今の我々にこの世界を引き継いだ。
地名には、その歴史が数多く詰まっているです。

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