1週間前、笠松競馬交流競走若鮎賞に出走したヴェレンクラフトは、対戦相手弱化にもかかわらず惨敗。
この結果を受けて、翌日には引退が決定しました。実に迅速な対応でした。
09/5/14 栗東TC
レース後変わりありません。相手関係が楽な地方競馬指定交流競走で完敗を喫したのは予想外でした。良化の兆しがうかがえず、現状では3歳未勝利戦の番組があるうちに勝ち上がるのは難しいと思われます。そのため、調教師とも協議した結果、残念ながら本馬の競走馬登録を抹消して、現役を引退させることにいたしました。良い結果を出すことができず、申し訳ございませんでした。なお、詳細につきましては後日書面にてご連絡いたします。
デビューからわずか2ヶ月間のあまりにも短い競争生活でした
ここで簡単にこれまでを振り返ってみます。
まずは2年前の募集の時、関西馬を中心にペラペラとカタログを吟味。後にヴェレンクラフトと名付けられるレイクミードの06のところで写真を見た時は、『これはないなぁ』というのが第一印象で全然出資する気はありませんでした。
しかしDVDを見た時には、写真の印象ががらり一変
脚さばきが実に柔らかで軽い。他の募集馬を見てもこれほどの動きをする馬はいなく(個人的視感)、速効で第1希望が決まったのを思い出します。
クロフネ×ダンス牝馬で人気もなく1次募集で売れ残るくらいの馬で、あっさりとこの年の出資馬が決まりました。
そして、他馬に遅れながらも1歳12月には順致を開始、年明けには乗り運動をスタート。しかし、冬馬はなかなかペースアップはできませんでした。
そんな時に、春先には牧場・厩舎の先輩レジネッタが桜花賞を優勝
共通点の多かった2頭でもあり、当時はヴェレンクラフトにも大いに期待したものです
春先からは少しづつ起動にのり、6月には、
牧場ツアーで初対面を果たしました。
この時は『腰が…』とか『トモが…』などあまり順調そうではなく、スタッフの方のトーンも低かったような気がします。
その後の夏から秋にかけては、常にトモに不安をもちながらの調整が続きます。
そのままの状態が続き年内はペースアップできませんでしたが、年明けにはようやくトモの不安が解消され、15-15を開始、そのまま一気に2月にはトレセン入厩の運びとなりました。
15-15を乗り始めてからたった1ヶ月後の入厩。当時も思いましたが、乗り込み不足はあきらかでした。
それでも期待してデビューの日を待ち、なんとか最後の牝馬限定の新馬戦に間に合い、
メイクデビュー。結果は16頭立ての11着と完敗でしたが、この時は使いつつ良くなってくるだろうとそれほど悲観していませんでした。
そして前進を期待した
2戦目は、メンバーも強敵で11頭立ての10着とまたも大敗。
陣営は立てなおしのために宇治田原優駿Sへ放牧に出します。
この宇治田原優駿Sは近くにあるので、時間があれば見学に行こうと思っており、ちょうど見学の申し込みをしようとした週にトレセンへの帰厩が決定。結果的にそのまま引退してしまったので、あの時もう1週早く会いにいけばよかったなぁと今となっては後悔しています
そして先週のレースの結果を受けての引退となりました
文中でも書きましたが、まずは牧場での乗り込みが足りず、基礎体力が不足していたのではと思います。馬自身にも走る気持ちが不足しており、このままだと勝ちあがりは厳しかったでしょうし、この決断も仕方ないとは思います。
出資決定時は、まさかこんな結果になるとは思ってもみませんでした。
あらためて、カタログのコメントを読んでみると、
サンデーサイレンスの血を受け継いでいることを証明するかのような、天性の柔軟性を持つ本馬のフットワークは、前さばきが軽やかで弾力に富んでいます。放牧地で見せる他馬を一瞬にして置き去りにする圧倒的な瞬発力や抜群のスピードセンスは特筆に値します。食欲は旺盛で基礎体力がしっかりとしていることもあり、日々の放牧を順調にこなしています。今後の夜間放牧を経てさらに成長を遂げるのは間違いなく、逞しくなった姿を見るのがいまから楽しみです。常に前向きで負けず嫌いな性格は実戦タイプで、丈夫な脚元をしていることからも、コンスタントな活躍に期待が高まります。
馬選びは難しいですねぇ
さて、気になるヴェレンクラフトの今後ですが、残念ながら繁殖牝馬には、なれなかったようです。
それでも、出資会員の1人の方に引き取っていただいて地方競馬で走ることになり、既に名古屋競馬の坂口厩舎に入厩済みたいです。
怪我で引退したわけではないので、すぐに走る姿を見ることができるでしょう。
愛馬ではなくなりましたが、これからも彼女の活躍を応援したいと思います。
そして自らの手で繁殖への道を目指してほしいです
ヴェレンクラフト号
馬名由来:ドイツ語で波の力