Dr内野のおすすめ文献紹介

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NOMIに対する血管拡張薬の動脈内投与、その反応性の予測

2022年05月03日 | 消化器・血液
Rittgerodt N, Pape T, Busch M, et al.
Predictors of response to intra-arterial vasodilatory therapy of non-occlusive mesenteric ischemia in patients with severe shock: results from a prospective observational study.
Crit Care. 2022 Apr 4;26(1):92. PMID: 35379286.


ドイツの1つの病院の8つのICUで、腸管壊死のないNOMIと診断された42例にPGE1の動注をした。全体の死亡率は71%、24時間で乳酸が2mmol/L以上下がると死亡率は59%、反応しないと85%。

Single armだし、治療についてのメッセージはあまりないように思うけど、
8つのICUで3年間、プロトコルを設定した上で前向きに調査すると、手術適応のないNOMIは18707例中42例に発生した、という情報は面白いのでは。
例えば自治さいたまは年間1500例くらいなので、3-4ヶ月に1例は動注の適応のあるNOMIが発生する計算。

プロトコルもちゃんとしている印象。興味のある方は使ってみては。
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