Dr内野のおすすめ文献紹介

集中治療関連の文献紹介が主な趣旨のブログ。
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蘇生後の予後予測の文献まとめて

2017年07月08日 | 神経
紹介。どれも先々週〜先週にダウンロードしたもの。

Rossetti AO, Tovar Quiroga DF, Juan E, et al.
Electroencephalography Predicts Poor and Good Outcomes After Cardiac Arrest: A Two-Center Study.
Crit Care Med. 2017 Jul;45(7):e674-e682. PMID: 28406812.


Streitberger KJ, Leithner C, Wattenberg M, et al.
Neuron-Specific Enolase Predicts Poor Outcome After Cardiac Arrest and Targeted Temperature Management: A Multicenter Study on 1,053 Patients.
Crit Care Med. 2017 Jul;45(7):1145-1151. PMID: 28426467.


Solari D, Rossetti AO, Carteron L, et al.
Early prediction of coma recovery after cardiac arrest with blinded pupillometry.
Ann Neurol. 2017 Jun;81(6):804-810. PMID: 28470675.


結果は読んでください。

最後の文献にも書いてあるけど、この手の研究で問題になるのは、いわゆるself-fulfilling prophecyというやつ。うまく訳せないが、辞書によると、「自己実現的予言 、予言したという事実がその実現をもたらす」という意味。例えば脳波がフラットだったら、もう回復の見込みはないと考え治療を打ち切るので、その結果として予測能が高くなる。

これまで蘇生後の予後予測の研究って本当にたくさん行われているけど、ほとんどの研究はこの問題をクリアできていない。そういう意味でも、3つ目の研究は価値がある。
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