真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「デコトラガール 天使な誘惑」(2018/制作:㈱ANGLE/提供:オーピー映画/監督・編集:柿原利幸/脚本:川﨑龍太・唐戸悠・木村洋輔/プロデューサー:藤原健一/音楽:與語一平/撮影監督:高橋まなぶ/録音:山口勉/助監督:田中章一・菊嶌稔章/カラリスト:佐藤智/MA:若林大記/ヘアメイク:Kaco/スチール:本田あきら/撮影助手:羽鳥晃/録音助手:廣木邦人/演出部応援:冨田大策/制作部応援:貝原クリス亮/仕上げ:東映ラボ・テック㈱/ロケ協力:㈱アートワークスラパン/車両協力:黒潮船団・宮内如弘/出演:天使もえ・可児正光・桜ちなみ・遠藤留奈・難波拓也・佐藤日出夫・佐藤良洋・染井佳之・宮内龍二・服部康樹・Odori Ali・板橋正樹・西條祐・森羅万象)。出演者中、宮内龍二から西條祐までは本篇クレジットのみ、外人部の名前がもうひとつあつた気がする。
 早速白々しく飛ぶ空は最早兎も角、ひとまづブロブロ重低音がバクチクするデコトラ。一欠片の脈略もなく苛つく天使もえが、ハンドルを握る。一方JR東日本内房線大貫駅、スーツ姿の可児正光がショボ暮れた風情で、キャリーケースを引き降り立つ。見た感じそんな道の真ん中を歩いてゐた訳でないにも関らず、デコトラと可児正光が軽く交錯。天使もえが改めてアクセルを踏み込むと、プルーンなタイトル・イン。何某かやらかしたのか、今野廉太郎(可児)は東京グローバル電工本社から子会社に出向。金子茂(佐藤日出夫)以下、出入りする運送会社のウェーイな連中がキャッチボールに興じる子会社(社名不詳)に今野が辿り着くと、新人研修時代世話になつた所長の中村静雄(森羅)は、双方納得尽の上伊東美穂(桜)の着替へを覗き垂涎してゐた。リアクションは甚だ冷淡な赴任の挨拶もそこそこに、美穂が今野に投げキッスを飛ばすや即カット跨いでガンッガン濡れ場突入。中村がそれを窃視して燃える関係性が、果敢に行間をスッ飛ばし豪快に成立する。ナベ2017年第一作「揉んで揉乳《もにゆ》~む 萌えつ娘魔界へ行く」(脚本:増田貴彦/主演:佐倉絆/三番手)・第二作「神つてる快感 絶頂うねりびらき」(脚本:波路遥/主演:あかね葵/三番手)以来のピンク第三戦で二番手に昇格した桜ちなみが、魅惑的な爆乳と数撃つ絡みで裸映画を担保する主力兵器。そんな最中、得意先の工場が閉鎖し仕事にアブれた高階凛虎(天使)が金子を頼つて現れ、今野と再会する。
 とりたてゝ大した物語もないゆゑ配役残り、堅気女優部ではあれ鬼どエロい遠藤留奈は、凛虎が夜はホステスのアルバイトもする、主に金子が入り浸るスナックのママ・さおり。オッパイまでは見せての、沁みるワンマンショーを大披露。最初で最後のピンク参戦で済ますには惜しい逸材、何とか吉行由実か浜野佐知辺りが捕まへて継戦させられないものか。難波拓也は、凛虎の元カレ・田代ユウジ。元々二人でデコトラを買ひながら、他の女を作つたユウジが消え―凛虎一人にローンを背負はせ―たといふ因縁。ユウジの背後に見え隠れする、国沢実2016年第一作「陶酔妻 白濁に濡れる柔肌」(脚本:高橋祐太/清水五郎名義)以来のピンク復帰を果たした佐藤良洋は、ユウジに貸し金を持つ笹崎裕太。ユウジがデコトラを金に換へようとする業者の井手口(染井佳之/何者かの変名かも)挿んで、菊嶌稔章が持ち前の強面で笹崎の部下に飛び込んで来る。そして最大級のサプライズ、竹洞哲也2009年第二作「妹のつぼみ いたづら妄想」(脚本:小松公典/主演:赤西涼/度会完名義)以来の大復帰を遂げた吉田祐健が、恐らく西條祐名義で、今野が本社帰還を賭けたインドからの視察団に随伴する多分本社の人。残りの面子は冷淡な子会社部が微妙だが金子以下の運送部と、インドから来日した外人部。無線で修羅場を金子に報告する、運送部がその中で一番目立つも特定能はず。
 「マジカル・セックス 淫ら姫の冒険」(監督:山本淳一/脚本:大畑晃一・山本淳一/主演:阿部乃みく)に続く、オーピー2018完全外様のピンク新規参入二の矢は、Vシネ監督の本篇デビュー作。半ば、あるいは事実上。ANGLE代表である藤原健一の、大蔵上陸作といつた色彩も否めず、さうなると長年の盟友である藤原健一を介したANGLE経由での、友松直之逆輸入的電撃帰還!だなんてトピックを、夢想してはいけまいか。
 記憶に新しい清水大敬2017年第二作「ハミ尻ダンプ姐さん キンタマ汁、積荷違反」(主演:円城ひとみ)はタイトル通りダンプにつき、関根和美の「デコトラ漫遊記」第二作「馬を愛した牧場娘」(2003/脚本:関根和美・小松公典/主演:秋津薫・町田政則)以来、実に十五年ぶりともなるデコトラピンクは、夜には煌々と電飾もカマすデコトラがそれなりに存在感を誇示しもするものの展開的には極めてフラットな、船頭が三人もゐるにしてはデコトラが山に登るどころか、セカンドでそこら辺を流した程度の一作。話題―と客足―は何処まで呼べたのか、今のところ二本共倒れて面白くも何ともない。水泡に帰しかけた交渉が、インド人がアートトラックと可愛いデコトラガールに喰ひついて一件落着、なる大団円?は子供も騙せないお粗末な一幕、腹の立つ意欲なり気力も失せた。乱打される桜ちなみのオッパイと、大輪の花は咲かせ損なひつつ遠藤留奈が確かに輝かせる大器以外には、役が小粒な佐藤良洋もさて措き吉田祐健(勝アカデミー五期卒/四期に中根徹)の変らず元気な様子が唯一の見所。に、してもだな。祐健と森羅万象が一つ納まるカットと来ると、熱核反応級のエネルギーが発生しておかしくない大イベントなのにと、心残りばかりが募る始末。全盛期の松岡邦彦がゐたらなあとか、死んだ子の齢を数へてみたり、死んでねえよ。


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