「数学」と聞くだけで恐れをなしてはいないだろうか？ああ数学。たかが数学、されど数学。ここで数学に対する不安をなんとかできれば、数学力がアップするかも知れないと聞いてあなたは何を思うだろうか？
数学のテストの出来を予め気にし過ぎて心配している事で、実はその予期不安の通りの結果をもたらすかも知れないと、アメリカの研究者が発表した。「数学恐怖」とでも日本語には訳されるかも知れない気持ちが(原語では不安だが、実際には特定の対象が存在するのでこれは恐怖であろう)、脳の作業能力を低下させると言うのである。私達のコンピュータもマルチタスクでいろいろやらせるとすぐフリーズするのに似ているかも知れない。脳をどれだけ駆使するかは問題の難易度とも相関があるようだ。つまり簡単な問題よりも複雑な問題ではそれだけ脳を駆使し、酷使して問題解決に取り組んでいると言うことだろう。
数学の得意な学生でも入学試験等となるとダメになるようである。ヒトはまたこうした緊張した状況下において"短絡的"な解決法を模索し始めるものらしい。試験準備クラスはいくらかこうした状況を軽減するものの、抜本的解決にはならないようである。この事実により、誰が入試で成功するかを予測するのは一筋縄ではいかないようだ。数学に対する不安・恐怖の原因はまだ判っていないそうだが、この「不安」さえ取り除けば、ヒトは標準的な数学能力を持っていると研究者達は語る。
＊大雑把な議論をすれば、「英語が出来る」と言う事と、「数学が出来る」という事の二つの要素によって大学進学が可能か不可能かを決定しているように思う。ではなぜこの二科目なのだろうか？
英語・数学・国語とあるが、英語・国語は「自然言語」であるが、数学だけは「人工言語」である。ここで英語は「外国語」であるのに対し、数学と国語は「日本語」による思考がほとんどである。
「自然言語」であり「日本語」である「国語」の勉強法は余り語られないが、英語と数学については種々の参考書が出ている。どちらも修得に時間がかかる科目であるし、いずれかを苦手とする人々も多い。数学を不得手としただけで理科系の学科進学を完全に諦めるヒトも多い。文科系においても経済学部など数学を多用する学部・学科などを諦めてしまうヒトも出てくる。こうなると、数学の素養の有無によってかなり学部学科の選択肢が絞られる事になる。
東京大学等の入学試験(前期日程)で文科系も相当の数学の試験が課され、理科についても履修を余儀なくされるのは、工業系省庁の官僚になった際などに必要だからだと思う。理工学系等のように直接数学を使用しない分野でも、数学的素養があった方がデータ解析などの際にも役立ち、よいように思われる。ここで具体的な数学学習法については言及できないが、少なくともいたずらに「不安」を持たぬ方が得策とわかった事だけでも大収穫である。
Math anxiety saps working memory needed to do math
By Julie Steenhuysen
Mon Feb 19, 9:03 AM ET
SAN FRANCISCO (Reuters) - Worrying about how you'll perform on a math test may actually contribute to a lower test score, U.S. researchers said on Saturday.
Math anxiety -- feelings of dread and fear and avoiding math -- can sap the brain's limited amount of working capacity, a resource needed to compute difficult math problems, said Mark Ashcroft, a psychologist at the University of Nevada Los Vegas who studies the problem.
"It turns out that math anxiety occupies a person's working memory," said Ashcroft, who spoke on a panel at the annual meeting of the American Association for the Advancement of Science in San Francisco.
Ashcroft said while easy math tasks such as addition require only a small fraction of a person's working memory, harder computations require much more.
Worrying about math takes up a large chunk of a person's working memory stores as well, spelling disaster for the anxious student who is taking a high-stakes test.
Stress about how one does on tests like college entrance exams can make even good math students choke. "All of a sudden they start looking for the short cuts," said University of Chicago researcher Sian Beilock.
Although test preparation classes can help students overcome this anxiety, they are limited to students whose families can afford them.
Ultimately, she said, "It may not be wise to rely completely on scores to predict who will succeed."
While the causes of math anxiety are unknown, Ashcroft said people who manage to overcome math anxiety have completely normal math proficiency.
数学のテストの出来を予め気にし過ぎて心配している事で、実はその予期不安の通りの結果をもたらすかも知れないと、アメリカの研究者が発表した。「数学恐怖」とでも日本語には訳されるかも知れない気持ちが(原語では不安だが、実際には特定の対象が存在するのでこれは恐怖であろう)、脳の作業能力を低下させると言うのである。私達のコンピュータもマルチタスクでいろいろやらせるとすぐフリーズするのに似ているかも知れない。脳をどれだけ駆使するかは問題の難易度とも相関があるようだ。つまり簡単な問題よりも複雑な問題ではそれだけ脳を駆使し、酷使して問題解決に取り組んでいると言うことだろう。
数学の得意な学生でも入学試験等となるとダメになるようである。ヒトはまたこうした緊張した状況下において"短絡的"な解決法を模索し始めるものらしい。試験準備クラスはいくらかこうした状況を軽減するものの、抜本的解決にはならないようである。この事実により、誰が入試で成功するかを予測するのは一筋縄ではいかないようだ。数学に対する不安・恐怖の原因はまだ判っていないそうだが、この「不安」さえ取り除けば、ヒトは標準的な数学能力を持っていると研究者達は語る。
＊大雑把な議論をすれば、「英語が出来る」と言う事と、「数学が出来る」という事の二つの要素によって大学進学が可能か不可能かを決定しているように思う。ではなぜこの二科目なのだろうか？
英語・数学・国語とあるが、英語・国語は「自然言語」であるが、数学だけは「人工言語」である。ここで英語は「外国語」であるのに対し、数学と国語は「日本語」による思考がほとんどである。
「自然言語」であり「日本語」である「国語」の勉強法は余り語られないが、英語と数学については種々の参考書が出ている。どちらも修得に時間がかかる科目であるし、いずれかを苦手とする人々も多い。数学を不得手としただけで理科系の学科進学を完全に諦めるヒトも多い。文科系においても経済学部など数学を多用する学部・学科などを諦めてしまうヒトも出てくる。こうなると、数学の素養の有無によってかなり学部学科の選択肢が絞られる事になる。
東京大学等の入学試験(前期日程)で文科系も相当の数学の試験が課され、理科についても履修を余儀なくされるのは、工業系省庁の官僚になった際などに必要だからだと思う。理工学系等のように直接数学を使用しない分野でも、数学的素養があった方がデータ解析などの際にも役立ち、よいように思われる。ここで具体的な数学学習法については言及できないが、少なくともいたずらに「不安」を持たぬ方が得策とわかった事だけでも大収穫である。
Math anxiety saps working memory needed to do math
By Julie Steenhuysen
Mon Feb 19, 9:03 AM ET
SAN FRANCISCO (Reuters) - Worrying about how you'll perform on a math test may actually contribute to a lower test score, U.S. researchers said on Saturday.
Math anxiety -- feelings of dread and fear and avoiding math -- can sap the brain's limited amount of working capacity, a resource needed to compute difficult math problems, said Mark Ashcroft, a psychologist at the University of Nevada Los Vegas who studies the problem.
"It turns out that math anxiety occupies a person's working memory," said Ashcroft, who spoke on a panel at the annual meeting of the American Association for the Advancement of Science in San Francisco.
Ashcroft said while easy math tasks such as addition require only a small fraction of a person's working memory, harder computations require much more.
Worrying about math takes up a large chunk of a person's working memory stores as well, spelling disaster for the anxious student who is taking a high-stakes test.
Stress about how one does on tests like college entrance exams can make even good math students choke. "All of a sudden they start looking for the short cuts," said University of Chicago researcher Sian Beilock.
Although test preparation classes can help students overcome this anxiety, they are limited to students whose families can afford them.
Ultimately, she said, "It may not be wise to rely completely on scores to predict who will succeed."
While the causes of math anxiety are unknown, Ashcroft said people who manage to overcome math anxiety have completely normal math proficiency.
