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2017衆院選への視点~【市民と立憲野党共闘】の混乱と再生

2017-10-28 18:45:14 | 政治・文化・社会評論
2017衆院選への視点~【市民と立憲野党共闘】の混乱と再生
2017/10/28

           櫻井 智志           


 四野党が憲法に依拠して政府に要請した臨時国会を、安倍政権は三カ月経っても一向に開かなかった。そして臨時国会を開くや審議も所信表明もろくに開かず抜き打ち解散し突然、解散総選挙に突っ走った。自民党に呼応するかのように小池百合子が動いた。以前から小沢一郎と前原誠司の水面下の野党共闘協議に、小池百合子が加わり、最後は協議とは異質な小池新党を作った過程での混乱に終始した選挙戦となってしまった。民進党存亡の危機に立ち上がった枝野幸男が立憲民主党を結党した。
 この取り組みの本質を見抜いて援護し、自党候補を辞退させた日本共産党の政治展望は鮮やかだった。「市民と野党の共闘」の原則を堅持して、一貫して選挙戦に取り組んだ共産党の方針と選挙戦が、今後の市民社会における立憲政党共闘が市民や市民団体の土壌に根づいて取り組んでいく、という今後の選挙戦と政治へのあり方を耕した。

 前原誠司個人は、苦労をしてここまで政治家となった苦労人だ。北海道5区補選や自治体選挙で、民進・自由・社民・共産・市民連合の共闘の選挙宣伝カーに同乗して応援演説を何回もこなしてきた。小池百合子氏の巧みな戦略に呑み込まれた今の前原氏は、指導者の器にはない。不運な政治家と思う。小池百合子氏も都知事としても都民から遊離している。自民の策略に呑まれた選挙だ。安倍総理自身への不信は根強い。選挙で勝ったのは、安倍内閣でなく、自民党公明党だ。

あるジャーナリストの記事を読み同感だ。『安倍対小池』の構図を自民党首脳部は、『「小泉進次郎」対小池』に転換した。さらに大手マスコミはこの構図を何度も繰り返し流した。小泉進次郎への国民の熱狂的歓迎は、安倍総理の不支持を覆い隠した。大手マスコミの動き方は自民の思惑通りとなった。

朝日新聞は「立憲、希望、共産、社民、野党系無所属の共闘成立」ならこれらの候補の得票を単純に合算する試算を行った。その結果、「野党分裂型」226選挙区のうち、63選挙区で勝敗が入れ替わり、与党120勝、野党106勝となった。だが小池新党は立憲野党ではない。「希望の党」をNHKテレビは選挙報道から与党派・改憲勢力とみなしてカウントしていた。

 【市民と立憲野党の共同】を重視した日本共産党は、その大義を尊重した選挙政策をとり、小選挙区で70人近い候補をおろし、立憲民進党や無所属の選挙区て゜は候補を立てない戦術をとった。それが原因なのか有力候補も落選が相次いだ。しかし立憲民主党の躍進と無所属候補の勝利とにより、【市民と立憲野党の共同】の骨太の戦略は、今後に展望を示した。市民や市民連合などの見事な獅子奮迅の仲介役を見ると、新たな政治的段階が日本にも訪れたことがわかる。韓国やヨーロッパのような、市民が自主性と自立した個をもつ主体として政治に広範に取り組む様子は、参院選の前からあったが、野党共闘決裂の局面で大きな力量を発揮した。今後の動向となっていく。

 公示前の35議席から6議席減という敗北の公明党。比例の全ブロックで獲得した合計697万票。衆院選の比例ではじめて700万票を割った。自公に大逆風が吹き、8つの選挙区で全敗した09年衆院選でさえ、比例で805万票を獲得。公明党敗北は、安倍自民党をより強硬にさせていくだろう。
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