グローバル・スタンダードの最高峰資格CFAとCFPを持つ完全独立のFP・資産運用アドバイザー尾藤峰男の書評ブログ

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『夢をかなえるゾウ』水野敬也著(飛鳥新社)を読んで

2010-08-06 08:08:50 | 書評
『夢をかなえるゾウ』水野敬也著(飛鳥新社)を読んで


この本は、どちらかというと20代、30代の若者をターゲットとして書かれた本だろう。確かにいま、夢や目標を持たないこの世代が多くなっているから、ぜひ読んでもらいたい本である。申し上げておくが、それより上の世代にとってもなるほどと思う箇所はある。

この著者は、現在30歳代前半の若者だ。この本の中身からみれば人生経験がまだないのに、よくここまで書けたなーと感心する。確かに後ろの索引を見ると、参考文献をよく読んでいる。このあたりの努力と日ごろの研鑽の賜物だろう。

また、登場人物など、メッセージを伝えていく手段が非常にユニークで楽しく読めるように作られているところも、丁寧に作っている感じが持てる。ここでいう、「自分」は主人公の愛称と思ってよい。

小生が読んで、ここは、と言うポイントを記しておく。

・ 超一流の芸術家は、めちゃめちゃ営業力があんねん。世渡り上手やねん。
―これは本当だ。あの向島の中小企業のおやじ、岡野雅行氏がそうだ。建築家安藤忠雄氏もそうだろう。

・ 一流の人間はどんな状況でも常に結果を出すから一流なんや。常に結果を出すにはな、ふつうに考えられているよりずっと綿密な準備がいるねん。

・ でもおまえを愛してくれるお客さんに最高のもてなしをするんは当然やないか。ええお客さんやからいうて甘えとったら、あかんで。
―ここでは、人の優先順位をいっている。どのお客様がもっとも大事なお客様かをよく叩き込んでおけということだ。

・ 仕事でも、僕の周りの人間関係でも、一番大事な人をしっかり認識し、その人たちからまず喜ばせたり、感謝をすることにしよう。

・ 人の自尊心が満たせて、人から応援されて、押し上げられるようなやつが成功してくんや。
―そのためには、人の自尊心を満たす。そのための方法の一つが「いいところを見つけてホメる」

・ 他人をよう観察して、この人がどういう特徴があって、どういう才能があって、どういう癖があって、どういう人なんやろてずっとそのことを見とかんと。そうせんとホメられへんやろ。

・ でもな、もっと他人にサービスすること考えて、そのことを自分の喜びにしてかんとあかんで。『人の欲を満たすこと=自分の欲を満たすこと』-ガネーシャの方程式

・ 人のええとこ見つけたら、盗めや。早よう成長して、早う技術覚えて、もっと多くの人をもっと喜ばせたいいう思いが何より大事なんや。(そのためには、人の長所を盗め)

・ ホンマ自分がワクワクできて自分のもっている力一番発揮できる仕事、探さんといかんねん。そんなもん、死ぬ気で探さんといかんねん。

・ 成功したいて心から思とるやつはな。何でもやってみんねん。少しでも可能性があることやったら、何でも実行してみんねん。

・ お客さん、つまりお前や。お前を喜ばせるために、この店はめちゃめちゃ頑張ってんねや。だからこの店には魅力があるんや。

・ これからは、その店がどんなことをしてお客さんを喜ばせようとしているか観察せえよ。
―これは、本当にそうだ。現場調査は基本の中の基本。

・ お客さんの一番喜ぶんはな、『期待以上だったとき』やねん。
―お客様に感動を与えるということと同じだ。

・ 自分が好きなこと、楽しいと思えることで人を喜ばせるようにする。それが成功したり有名になったりお金持ちになるための、回り道のように見えるけど一番の近道なんだと、僕はガネーシャの課題を通して学び始めていた。

・ 実行に移すこと。さらにその課題をこれからの人生において実行し続けること。可能な限り毎日、自分の一部になるまで続けること。
―ここをこの本ではもっとも大事なこととして位置づけている。だれもが実行しないから成功しないということだ。

・ やりたいことを見つけるための方法はひとつだけや。それは『体感』することや。
―子どもにとっても大変大事なことだ。

・ ガネーシャ-そのやらずに後悔していること、今日やるんや。自分-無理です。
ガネーシャ-なんでやねん。ええか?今日やらんと一生後悔するで。みんなそうやって死んでいくんやで。もし、『みんな』と『自分』に境界線引くチャンスがあるとしたら、それは『今』以外ないで。
―誰もがわかりながらやらないで死んでいく。『後悔しないように生きろ』ありがたく、重い言葉です。

・ みんなが自分の夢を聞くのが楽しいて、思えるのが理想やねん。ぎょうさんの人が聞きたい夢いうんやな、世の中がそれを実現することを望んでいるいうことやろ。そしたら、その夢、かなえるのめっちゃ簡単やがな。なんせその夢はみんなが応援してくれる夢なんやから。

・ 自分の夢をかなえることが同時に人の夢をかなえることになれば、みんなが応援してくれるやろ。そういう夢思い描くためには、人の持っている欲や人の持っている夢に注目せなあかん。これからも相手の夢を引き出すような質問をどんどんしていくんやで。―人を幸せにする。

・ ええか? 自分が本当に成功したかったら、その一番の近道は、人の成功を助けること、つまり・・・・・ 愛やん?
―ついに、愛、まできた。

・ そういうふうに『足りない、足りない』て思えば思うほど、家も金も、自分から逃げていくんや。皮肉なことやろ。そやから、足りない、足りないて思えば思うほど、足りない状態から逃れることはできへんのや。欲しがれば欲しがるほど、欲しいもんは逃げていくんや。自分が満たされてへんと、ひとを喜ばせることはでけへん。人に与えることがでけへんのや。

・(ではどうしたらよいか、という自分の問いに)ガネーシャ―『「おおきに」、て感謝することや』自分の中に足りんと感じてることがあって、そこを何かで埋めようとするんやのうて、自分は十分に満たされている、自分は幸せやから、他人の中に足りないもんを見つけ、そこに愛を注いでやる。この状態になってこそ、自分が欲しいと思ってた、お金や名声、それらすべてが自然の形で手に入るんや。・・・
お金は他人がおまえにくれるもんやろ。名声は、他人がお前を認めたからくれるもんやろ。全部、他人がお前に与えてくれるもんなんや。
―真理を伝えている部分だ。

・ 今自分が座っている椅子も、目の前にある机も、手にしている紙も、天井にある電球も、当たり前のようにそこにあるけど、全部自分を幸せにするために存在してくれているんやで。身の回りにあるモノ、友だちや、恋人、親、日々出会う人、動物、空気や水、緑、それもこれも全部、自分が生きるために存在してくれてるもんや。それら世界をかたちづくっている何にでもええ、感謝するんや。足りてない自分の心を「ありがとう」て言葉で満たすんや。ありがとう、ありがとう、みんなのおかげで私は満たされています。幸せです。そうやって感謝するんやで。


『夢をかなえるゾウ』水野敬也著(飛鳥新社)


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